10番目の呪い
第四章「ローマ帝王に憑依」
[親方様!目をお覚ましください!親方様!」
「う・・・ん!?」
俺は気が付いたら黄金に輝くベッドの上にいた。しかもなぜか頭が重い。
俺は声のする方に向くと、見たことのない外国人がひざまついていた。
「お前は誰だ?それとここはどこだ?」
[親方様、面白い冗談ですね、ここは親方様が納めているローマ帝国ではありませんか。しかも俺様の顔も忘れるほどお眠りについたとは」
俺は、部下(?)が俺様と言った瞬間とある記憶が頭の中に入ってくる、だがその記憶はローマ帝王の記憶に間違いないと思われるものだった。しかもその記憶に「イカサエル=アンデス」と「イチルドン=アンデス」のこともあった。
「ふむ、すまぬな、最近物忘れが激しくてな、それ、貴殿の名前は何と申す?」
[親方様、俺様はイチルドン=アンデスですよ、息子の顔もお忘れになられたのですか?]
俺はとりあえず一度ゲームで「戦国無●3」をやったことあるので今川義元風に喋ってみたが、自然と「貴殿」と言ってしまった。
だがそこは重要ではない。今こいつはイチさんと名乗り、しかもイチさんが俺の息子ってことになってる。
となると、イカさんと兄弟なのだからイカさんの親でもあるらしい。
[親方様?どうされたのですか?」
「実は貴殿は拾われた身なのだ」
イチさんは唐突に俺に言われたので目を丸くしている。
そこにちょうどイカさんらしき人が来た。
「親方~、今丁度カモを捕まえてきたぞ~。今夜はカモ鍋ですな!」
[なぁ兄様、俺が拾われた身とは本当ですか!]
イチさんは動揺しているのか震えている、しかしイカさんは何も言わずに去って行った。
(おい!宮田邦宏!何をしている!ここではお前は俺らの体にお前を助けろと言うのだ!)
この声はイカさんだ、イカさんは俺の中にいたらしい。
(お前は我の弟に真実を伝えるのはお前の役目ではないぞ)
イカさんは激怒していて俺が話そうとしても無駄っぽい。
そこにどこかに行ってしまったはずの、イカさんがやってくる。
[親方、今我はあなたは悪霊に取り憑かれています」
その時、中にいたイカさんが人の形で外に出される。
(現)イカさんは途端に(若)イカさんにやれやれと言いながら、説明しようとしたら。
[お前は何者だ!」
(若)イカさんは腰から剣を取り出し、構える。
しかし(現)イカさんは(物わかりのない奴め)と言い、剣を何かの力で取り上げる。
(聞け!我はイカサエル=アンデス、つまりお前は我だ)
[何を言うか悪霊め!親方!まさかこんな奴ごときに操られるなんて・・・お前の正体は誰だ!」
うをぉい!俺の首にナイフ当てんな!切れるだろ!
(お前はわかっていない、イカサエル、いや我よ。お前は死んで弟と共に我らの親方の魂を助けるのだ!その名は宮田邦宏、今親方の中に居る)
「そうだ!だから俺をここから出してくれ!」
(若)イカさんはしばらく考えたのち、俺の首からナイフを下す。