無題
普通なら、まだ桜が蕾を膨らませている最中のこの時期。しかし、今年は異常気象なのか、天気予報ではもう桜の満開宣言がされている。
神楽 大輝(かぐら だいき)は中学校の卒業式を終えた後、呼び出された公園へと向かっていた。
大輝は公園に到着するも、呼び出して来た人物の姿は見当たらない。ふぅ、と息をついてベンチに座り、ただボーっと桜の舞う空を仰いでいた。
それから数分が経っただろうか。背後から「神楽くん。」と大輝を呼ぶ声がした。振り返ると、中学2年生のころから同じクラスで、席も近かった神埼 桜花(かんざき おうか)が居た。細身で目の大きい、長くて綺麗な髪が特徴的な女の子だった。
2人には2年間、互いにずっと伝えられずに秘めていた想いがあった。2人自身もその事を互いに察していた。4月になれば高校は別々。この機会を逃したらもう伝えられる事はないのかもしれない。桜花は深呼吸をし、真っ直ぐに大輝の目を見て口を開いた。
「神楽くん、好きです。」
神楽 大輝(かぐら だいき)は中学校の卒業式を終えた後、呼び出された公園へと向かっていた。
大輝は公園に到着するも、呼び出して来た人物の姿は見当たらない。ふぅ、と息をついてベンチに座り、ただボーっと桜の舞う空を仰いでいた。
それから数分が経っただろうか。背後から「神楽くん。」と大輝を呼ぶ声がした。振り返ると、中学2年生のころから同じクラスで、席も近かった神埼 桜花(かんざき おうか)が居た。細身で目の大きい、長くて綺麗な髪が特徴的な女の子だった。
2人には2年間、互いにずっと伝えられずに秘めていた想いがあった。2人自身もその事を互いに察していた。4月になれば高校は別々。この機会を逃したらもう伝えられる事はないのかもしれない。桜花は深呼吸をし、真っ直ぐに大輝の目を見て口を開いた。
「神楽くん、好きです。」