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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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ヘリテイジ・セイヴァ―ズ ノベルゲームシナリオVer.

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【光大】「カエのおばちゃんや団地に住んでいた人たちは、高校の講堂にいるぜ。当分は避難所にするらしい」

   ※病衣を着ている花楓の立ち絵を表示。喜ぶ

【花楓】「そっか。よかったぁ……」

   花楓は胸に手を当て、ホッとした表情になる。
   確か、おじさんが単身赴任で東京にいるんだったな。
   自分がお母さんを支えないと、と思っているのだろう。

【光大】「で、乙愛。おまえ退院したら、どこかアテはあるのか?」

   ※病衣を着ている花楓、きょとん

【花楓】「アテ?」
【光大】「ああ。こいつ、旅人なんだ。終業式の帰り道に、ぶっ倒れててな」

   ※病衣を着ている花楓、驚く

【花楓】「そ、そうなんだ……」

   花楓は不思議そうに乙愛を見つめる。

   ※病衣を着ている花楓の立ち絵を表示しない
   ※病衣を着ている乙愛の立ち絵を表示。不満

【乙愛】「……」

   トントン、と背後から乙愛が俺の肩を触る。

   ※病衣を着ている乙愛の立ち絵、不満

【乙愛】「おい、なんで私の素性を明かさないのだ?」
【光大】「別にいいだろ。ここで真実を話して、ややこしくするのもどうかと思っただけだよ。あと、他の患者さんに話すのも禁止な」

   ※病衣を着ている乙愛、不満

【乙愛】「……わかった」

   信じる信じないは別にして、ここでは話さないほうがいい気がする。
   その理由は分からないけど、そんな気がした。

   ※病衣を着ている花楓の立ち絵を表示。きょとん

【花楓】「どうしたの? 二人でこそこそして……」
【光大】「あ、いや、なんでもない」

   ※病衣を着ている花楓、不満

【花楓】「じー……」

   怪しげな目で俺を見つめる。
   相変わらず疑り深いなぁ。

【光大】「ほんとになんでもねぇって! それよりも、本当に当てはあるのか、乙愛?」

   無理矢理、話題を元に戻して見せる。

   ※病衣を着ている花楓の立ち絵を表示しない
   ※病衣を着ている乙愛、考え込む

【乙愛】「当てか……ふむ」

   ※病衣を着ている乙愛、微笑む

【乙愛】「それならあるぞ」
【光大】「えっ、どこに?」

   ※病衣を着ている乙愛、微笑む

【乙愛】「ここに、な」

   乙愛、俺に指を差す。
   え、まさか……。

【光大】「お、俺んち?」

   ※病衣を着ている乙愛、不満

【乙愛】「そこ以外ないと思うが?」
【光大】「え……」

   ※病衣を着ている花楓の立ち絵を表示。驚く

【光大・花楓】「え――――――――っ!?」

   俺と同時に花楓も驚く。
   思わず大声がでてしまった。

   ※病衣を着ている乙愛、不満

【乙愛】「なんだ? そのほうがよいではないか。すぐに化身たちを探しにいけるし」

   ※病衣を着ている花楓、きょとん

【花楓】「けしん?」
【光大】「いや、なんでもないんだ」

   ※病衣を着ている花楓、きょとん

【花楓】「?」
【光大】「ま、まあ、そうだな。冷静に考えたら、そのほうがいいのか」
【光大】「はぁ―っ、母さんにどう説明すべきか……」

   また悩みの種が増えてしまった。

   ※病衣を着ている花楓、不安

【花楓】「こ、こうちゃん……」

   花楓が不安げな顔で俺を見つめてくる。

   ※病衣を着ている花楓、不安

【花楓】「ひとつ、訊いていい?」
【光大】「ああ」

   ※病衣を着ている花楓、不満

【花楓】「この人と、どんな関係なの?」
【光大】「えぇぇっ!?」

   怒ってるような表情で俺に聞いても……。

【光大】「な、なんでそんなことを訊くんだよ?」

   ※病衣を着ている花楓、不満

【花楓】「だ、だって、これからこうちゃん家に過ごすわけでしょ」
【光大】「過ごすと言っても、ちょっとの間だけだぞ?」

   ※病衣を着ている乙愛の立ち絵を表示しない
   ※病衣を着ている花楓、やけくそ(アップで)

【花楓】「ちょっとの間でも、、私にとっては重要なの!」

   な、なんでだよ。わけがわかんねぇ。
   とりあえず、居候として過ごすことのどこが重要なんだ?

   ※病衣を着ている花楓、やけくそ(アップで)

【花楓】「ねぇ、答えてよ!」

   ※花楓の立ち絵を表示しない

   うう……。

【光大】「答えてって言われても、なあ」

   俺は、乙愛に助けを求め、視線を送る。

   ※病衣を着ている乙愛の立ち絵を表示。考え込む

【乙愛】「うーん、そうだな」

   顎に手を当てる乙愛。何か策はあるのか。

   ※病衣を着ている乙愛、考え込む

【乙愛】「強いて言えば……」

   ※病衣を着ている花楓の立ち絵を表示、真剣

【花楓】「強いて言えば?」

   ※病衣を着ている乙愛、微笑む

【乙愛】「パートナー、だな」

   ※病衣を着ている花楓、驚く
   ※病衣を着ている花楓の立ち絵が上下に揺れる

【花楓】「え……ええええっ……え――――――――ッ!?」

   カエの中で、激震が走る。

   ※病衣を着ている花楓、顔を赤らめて焦る

【花楓】「と、ととと、ということは、コウちゃんの家で、あんなことやこんなことも……」
【光大】「はあぁぁっ!?」

   どんな想像してんだよ!

【光大】「か、カエ、おまえが想像していることは決して……」

   ※病衣を着ている花楓、噴火寸前

【花楓】「コウちゃん……」

   あれっ?
   ゴゴゴゴゴ……と心なしか、揺れているような。
   というか、ここ病室!

   ※花楓の立ち絵を表示しない

【光大】「お、おい、乙愛、フォローしてくれよ!」

   こんなところで死期を迎えたくない。
   すかさず乙愛に頼る。

   ※病衣を着ている乙愛、不満

【乙愛】「はあっ? 私は真実をだな」
【光大】「ああ、言った言った。だけど、この勘違い女が……」

   ※病衣を着ている花楓の立ち絵を表示しない

【花楓】「コウちゃん、覚悟、いい?」
【光大】「ひいぃっ!」

   背後から戦慄が走る。
   俺は、カク、カク、カク、とロボットのように身体をカエの方へと向ける。

   ※横ワイプ(さっと暗くなる)

■宮島 医療センター3F 301号室 ベッドの上で殺気があふれ出ている花楓 夏 昼

   ※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
   ※横ワイプ(さっと表示)

   ※燃え上る炎の音

【光大】「!」

   火奄みたいに、紅い殺気につつまれたカエがベッドの上に立っていた。

【光大】「お、おい! 怪我をしてるんだろ!? 無茶をするなよ!」
【花楓】「それとこれとは関係ないわ」

   鋭い目つきで俺を見下し、ボキ、ボキ、と手の関節を鳴らす。

【光大】「か、かえでさん、と、とりあえず、落ち着こう、な、な……!」
【花楓】「問答、無用!!」
【花楓】「コウちゃんの……」
【光大】「ひいぃぃっ!!」

   カエは右手を勢いよく振りかぶる。
   あ、死んだな、これ。