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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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ヘリテイジ・セイヴァ―ズ ノベルゲームシナリオVer.

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【光大】「よっしー!」

   人ごみの中から、よっしーが。
   いいところに!

   ※葦貴、ため息

【葦貴】「ハア、ハア……よーやく見つけたよ。で、この状況は? なんで捕まってるの?」
【光大】「そんなことはいんだよ! そこにある竹刀でなんとかしてくれ!」

   ※葦貴、驚く

【葦貴】「えっ!? でも、相手は警察の……」
【光大】「いいから、早く!」


   ※立ち絵を表示しない

【警察(男)B】「キミはこの少年の友達か? だったら、大人しく……」
【光大】「うるさい! よっしー、助けてくれ!」

   ※立ち絵を表示しない

【警察(男)B】「この子のためだ、竹刀を拾うのはよすんだ」

   ※葦貴の立ち絵を表示しない

   俺と警察は、葦貴に向かって命令合戦を繰り広げる。
   それをよっしーは呆然と見つめる。

【光大】「早く、警察に強烈なのを……」

   ※立ち絵を表示しない

【警察(男)B】「この子のためにもやめるんだ!」

   ※葦貴の立ち絵を表示。項垂れる

【葦貴】「う、う――っ……」
【光大】「早く!」

   ※立ち絵を表示しない

【警察(男)B】「やめるんだ!」

   ※葦貴、目を回して叫ぶ

【葦貴】「うわああああああっ!!」
【光大】「!」
【警察(男)B】「!」

   え? 混乱状態に陥った? 目がぐるぐる回っているような……。
   しかし、よっしーは竹刀を拾い、

   ※すぐにCGが切り替わる

■宮島 杉の浦地区 団地入口 葦貴、目を回したまま突撃 夏 夜 家が燃えている

   ※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
   ※走る音

【葦貴】「やあああああああっ!」

   俺たちに向かって突撃し、

   ※すぐにCGが切り替わる

■宮島 杉の浦地区 団地入口 葦貴、目を回したまま、光大と警察に向かって竹刀を振りかぶる 夏 夜 家が燃えている

   ※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない

【葦貴】「え――――――――い!」

   俺たち二人に向かって竹刀を振る。

【光大】「お、おい、よっしぃー!」
【警察(男)B】「うわあああっ!」

   ※フェードアウト(さっと暗くなる)

■画面が暗い

   ※竹刀が当たる音
   ※画面が上下に揺れる

   バッチ――――ン!

   ※フェードイン(さっと次のCGに切り替わる)

■宮島 杉の浦地区 団地入口 警察に当たる竹刀 夏 夜 家が燃えている

   ※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない

【警察(男)B】「う……」

   身長の差で警察に当たり、

【光大】「うわあああっ!」

   ※画面が上下に揺れる
   ※倒れる音

   ドサッ!
   そのまま気を失った警察と一緒になって仰向けに倒れた。
   まあ、とにかく助かった。

   ※横ワイプ(さっと暗くなる)

■宮島 杉の浦地区 団地入口 夏 夜 家が燃えている

   ※横ワイプ(さっと表示する)
   ※葦貴の立ち絵を表示する。驚く

【葦貴】「はっ! 僕はいったい……」
【光大】「ようやく正気に戻ったか……いててて」

   ※葦貴、慌てる

【葦貴】「コウ! 大丈夫!?」
【光大】「なんとかな。よっと」

   俺は立ち上がり、目を回している警察を見下ろす。

【光大】「というわけで、すいませんっと」

   謝罪の言葉を呟く。

   ※葦貴、通常

【葦貴】「コウ、これ。というか、なんで僕が持っているんだろう」
【光大】「ははは。サンキュー」

   ※葦貴、首を傾げる

【葦貴】「?」

   ……とにかく、葦貴から竹刀を受け取る。

   ※葦貴の立ち絵を表示しない
   ※警察(男)Aの立ち絵を表示する。真剣

【警察(男)A】「き、きみたち……ほ、ほんとに中へと、い、行く気かね……」

   先ほど尻餅をついた警察が、体を震わせながら俺たちを見つめる。
   ほんとこの人、警察なのか?

   ※葦貴の立ち絵を表示する。慌てる

【葦貴】「え? 中へ行くって……?」

   ※葦貴の立ち絵を表示しない

【光大】「やああああっ!」

   ※竹刀を振る音と同時に

   ※警察(男)A、怖気づく

【警察(男)A】「うああああっ!」

   ※警察(男)Aの立ち絵を表示しない
   ※画面が上下に揺れる

   竹刀を勢いよく横に払った瞬間、警察はまた尻餅をつく。

【光大】「いくぞ、よっしー!」

   ※葦貴、慌てる

【葦貴】「え、えええええ!?」

   俺は、よっしーの手をつかみ、燃え盛る団地の中へと入っていった。

   ※フェードアウト

■宮島 杉の浦地区 炎につつまれている団地 夏 夜

   ※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
   ※フェードイン

【光大】「よっしー、カエの家はこの先だよな?」
【葦貴】「ハア……ハア……うん……というか、警察をふりきっていいの……ハア……」
【光大】「いいさ。カエのことを放っておけるかよ!」
【葦貴】「え? カエちゃんいなかったの? ハア……ハア……」
【光大】「じゃなきゃあ、ここまで必死になれないだろ! 急ぐぞ」
【葦貴】「わあああっ!」

   よっしーの手を強く握り、俺はカエの家を目指す。
   本当にひどい有様だ。立ち並ぶ全ての家が全焼している。
   こんなこと、人間にできるわけがない。そうとも言い切れないけども、そんな気がした。
   この状況じゃあ、本当に可能性はゼロに近い。でも、俺の幼馴染みなんだ。ほっとくことができない。
   生きている可能性に……賭けたい。

【光大】「あ、誰かが倒れてる!」
【葦貴】「えっ!?」

   俺たちは急いで倒れている人の下へと駆けつける。

   ※フェードアウト

■宮島 杉の浦地区 倒れている花楓 夏 夜

   ※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
   ※花楓の絵を私服用にすること
   ※フェードイン

【光大】「カエ!」

   そこに倒れていたのはカエだった。
   誰のかは知らないが、高級そうなコートを彼女に被せている。

【光大】「カエ! おい、しっかりしろ! カエ!」

   俺は抱きかかえて、必死に叫ぶ。

【花楓】「うう……」
【光大】「カエ!」
【葦貴】「カエちゃん!」

   ゆっくりと目を開けるカエ。

【花楓】「コウ……ちゃん……、よ……くん……?」
【光大】「カエ……」
【葦貴】「……助けに来たよ」
【花楓】「ありが、とう……」

   しっかりと返事をするカエに、俺はホッとした。
   よかった……生きてて。

【花楓】「コウちゃん……このコート……の人が……北の……神社に……」

   そう言いかけたとき、カエは目を閉じた。

【光大】「カエ!?」
【葦貴】「大丈夫。気を失っているだけだよ」
【光大】「そうか」

   ※横ワイプ

■宮島 杉の浦地区 炎につつまれている団地 夏 夜

   ※横ワイプ