小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

アインシュタイン・ハイツ 302号室 藤井祐一

INDEX|22ページ/83ページ|

次のページ前のページ
 

【302号室 藤井祐一(3)】−『平田健の事情』−



「ぐっ…ぁ、はぁっ、はぁっ」
 目の前の男が悶絶して、胃の中身を吐き出すのに合わせて、少年は自らの動きを止めた。
 顔面に一発、最初の一撃だけ食らったせいで口の中がひどく切れている。
 少年は口元から溢れる血を、グローブで拭った。
 それから、周囲を見回す。
 壁際には、ひどい怪我をして気を失っている、先輩。
 そして、目の前には先輩に執拗な『指導』を行い気絶させた男が低く漏らす、悶絶。
 周囲からは賞賛の視線とともに恐怖と半々の割合で浴びせられる、罵声。
 誰かが叫んだ。
「誰か、保健の先生と救急車呼んでこい!!」