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物音

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翌朝。
目が覚めてから昨夜のことを思い返し、自分の怖がりぶりに我ながら可笑しくなった。
あの後、白装束の女が部屋に入って来る事もなければ、枕元に佇んでいる事もなかった。自室の扉に手の跡があっただとか、台所の床に爪で引っ掻いたような傷がついていただとかいうこともなかった。
あの物音はきっと家鳴りだったのだろう。古い家だから、床板が軋んで物音を立ててもおかしくない。それを勝手に心霊現象だと思い込み、勝手に怖がっただけにすぎないのだ。台所を這いずり廻る女など私の想像の産物でしかないのだから。
作品名:物音 作家名:紫苑