Blue (仮)
翌朝、僕は彼、浩介に生活に支障が出ないよう自分のことをさらに詳しく教えてもらった。まず僕の年齢が16歳であり、高校の入学式が明後日に控えていること。ちなみに高校名は天城高校というらしい。
文化面では片親が日本人であるためか日本語が巧みに操れるということ。そして、日本に来たばかりであるため友達はいないということ。
金銭面では回収係である僕は国から依頼されているため生活費などは全て国から出るということ。
腕についている寄生者の証は人目に触れる襲われる確率も上がるため包帯で腕を巻いて隠すということ。
そして一番気になっていたのが僕の容姿であるが、自分で言うのもどうかと思うがなかなかのイケメンだと思った。
金髪に色素が薄く少々青の入った瞳。身長もだいたいだが168センチと言っていた浩介より圧倒的に高いので180ほどはあるだろう。さすがハーフというべきであろうか。
ちなみに僕が住んでいる物件であるがどうやらマンションであることがわかった。
浩介が言うにはここは池袋にある高級マンションで1階は住民が自由に活用できるレストランがあり、2階には観葉植物や心地良いBGMに包まれたカフェテリア。5階の見晴らしの良い大きなガラスの窓のついたバーがある。8階には大浴場がある。もちろん各個人の部屋にも風呂はあるのだが、大浴場はジャグジーや露天風呂などさまざまな設備があるようだ。
ちなみに僕がいるこの部屋は6階の602号室であり、浩介の部屋は僕の隣の601号室であるらしい。
ちなみに僕がいるこの部屋は6階の602号室であり、浩介の部屋は僕の隣の601号室であるらしい。
僕は朝食をとるために2階のカフェテリアへ移動したときに気づいたことがあった。
それはこのマンションの従業員以外の人は皆若者であるということだ。しかもだいたい歳も変わらないような人ばかりだ。
「ここは天城高校の学生寮なんだよぉ。」
辺りの人々をきょろきょろと見ている僕の肩に後ろから浩介は手を乗せて言った。あまりにいきなりだったため僕は「うわっ」と思わず声をあげてしまった。そんな情けない姿を見た浩介は呆れた顔をわざとらしく作り
「だめだなぁ。そんな簡単に後ろを取られちゃあ。これじゃあバグを回収する前に殺されてしまうよ。」
ばっと浩介から離れ睨んだがふとその行為をやめた。
「浩介…なんで制服なんだ?入学式は明日だろ?」
昨日のスーツではなく紺色のブレザーに水色のシャツ、そして青チェックのズボンを第2ボタンまで開けているというなんとも高校生らしい服装の浩介を見て僕は不思議に思った。
「ああ。これ?俺生徒会長だから明日の入学式でスピーチするんだよ。今日はその練習でね。」
浩介はズボンから青いネクタイを取り出し首にかけながら言い、シャツのボタンを第一ボタンまで閉めると素早くネクタイを結んだ。
「そういえば、やっと俺の名前呼んでくれたねルイ君。」
ブレザーのボタンを閉めきっちりとした身なりになった浩介は嬉しそうにほほ笑んだ。
「それはお前が呼べって言ったからだろう?」
僕は不満そうな表情を浮かべた。そう。その日彼を「君」と呼ぶと「なんか堅苦しいし名前で呼んでよ。俺もルイ君って呼ぶからさ。」と浩介に言われたのだった。
「そういえば浩介は今年から三年なんだな。」
僕らは席に着くと僕はサンドイッチとオレンジジュース。浩介はホットコーヒーを頼んだ。
「おまえ…それだけ?」
自分は男の割に小食のようだと思っていたらそれ以上の小食の奴がいて驚いた。
「俺は燃費良いからあまり食べなくていいの。」
ふふんとドヤ顔をする浩介を横目で見ながら僕は朝食を胃に押し込んだ。