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和尚さんの法話 『善因善果 悪因悪果』

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「目連と鬼の問答」

仏教というのは、幅がひろくて奥が深くて学ぶべ
きことは兎に角もうたくさんあるわけですけれど
も、一番基本になることが、善因善果、悪因悪果
ということだと思いますね。

而もそれが、三世にわたるということです。
この世でやったことだけじゃなくて、前世でやっ
たことがこの世で来る、この世でやったことが来
世に来る。
この世でやったこともあるんですけれども、過去
のが今来て、今のが来世に来る。
これを信じないと因果を信じるということにはな
らないと思うわけですが、そういうお経がたくさ
んあるわけです。
特に今回はその中から拾い出してご紹介したいと
思います。

目連尊者と餓鬼のお話しですが、餓鬼ですが、餓
鬼とは鬼と書きますが、お経には鬼に一つ問うて
曰くというのが出てきますが、ここではいう鬼と
いうのは餓鬼のことなんですね。
餓鬼の世界に落ちてる鬼ということです。

普通、地獄にいる鬼というのは姿形が恐ろしくて、
そして罪人を処罰するという鬼があるわけですが、
それは裏を返せば衆生済度の菩薩方がそういう姿
に変化して、恐ろしい思いをさせないと悟らない
者が居るわけです。
それで恐ろしい姿で従わせるんですね。
ですから現在はいろんな犯罪が行われていますね、
子供までが犯罪を犯す。
我々の子供の頃というのは、現在のような犯罪は
ほとんどなかったように思うのです。
犯罪という意味ではあまりなかったように思うの
です。
それは学校の先生が怖い。親が怖いというそうい
う怖い人が多かったんですよね。
現在の子供が怖いものは何も無いんですよね。
だから仏法の世界にでも地獄というところがある、
つまり怖いところがあるんだということですね。
だからそういう怖い思いをさせないと逆らう者が
あるんですね。

お地蔵様のお慈悲で行く人もあるけれども、それ
じゃだめだと、やっぱり閻魔さんの慈悲でもって、
愛のむちをもって、表現はきついけれども実際は
助けるためにやってるんですよ、地獄の鬼も。
閻魔さんも鬼も菩薩方の衆生済度のための化身で
すね。
ですが地獄に落ちる罪人にとっては恐ろしいとこ
ろですよ。

それは実際に恐ろしいめにあうわけです。

仏教の世界にもそういう地獄という恐ろしいところがる
ということは、この娑婆には、もっと恐ろしいところが
ないと甘やかしてばかりだと、それでいける者もあるけ
れどもかえって悪い結果になるというようなことになっ
てると思うんですね。
だからもっと厳しくしないと一旦そうなるとなかなか戻
りませんね。

この話に出てくるのは皆地獄や餓鬼道に落ちていろんな
苦しみを受けてるわけです。
その苦しみに対して目連が、お前はこういうことをした
罪でこういう世界へ落ちてるんだということを答えるわ
けですね。

なんで私だけがこういうめに会うんですかと、鬼が目連
に聞くんですよ。
おまえはこういうことをやったから、こういうめに遇う
んだと。
そういうお経があるので、それをちょっと拾い出してご
紹介したいと思うのです。

祇園精舎は舎衛国ですが、このお経はもうひとつ古いお
経で、お釈迦様が舎衛国へ移るまえは王舎城というとこ
ろに居ったんですね、そこの霊鷲仙という山があってそ
こにしばらく道場としてお住まいになっていたことがあ
る、そのときの頃なんですね。

目連が食事の時間がきたので托鉢に出るんですね。
そして川か何処かの水辺の近くを歩いていたそのときに、
諸の餓鬼の、この餓鬼はこういう罪を受けてる。
この餓鬼はこういう罪をというような、様々な苦しみを
受けている餓鬼に出遭うわけです。

そして皆、敬いの心を起こして目連に礼拝をして自らの
因縁と説くわけです。
その中の一人の餓鬼が、自分が餓鬼道へ落ちてからこの
方、常に頭痛を患うというのです。
あの世へ行ってからいつも頭が痛いんだと。
なんで頭が痛むのだろうと、自分では分からないんです
ね。餓鬼は分からないんです。
目連が答えて曰く。
汝はこの世にいたときに、誰かれかまわず気に入らない
というと、杖で人の頭を殴った。
今その報いを受けて地獄に落ちたんだと。

また一人の鬼が問うて曰く。
我地獄に落ちてこの方得るもの無し、食べる物も無いし、
着る物も無いという報いを受けている。
これは何の罪を犯して報いているのかと。

目連答えて曰く。
せっかく布施をしたのに、後悔したというのです。
いつもそういうことを思ったんですね、しまった、しな
ければよかったと。
せっかく功徳を積んだのに、いつも後で後悔する。
布施という別のお経にありましたね、あとで後悔したら
いかんという戒めがありました。
厳しいと思いますけどもお経ではこうなってますね。

また鬼が問うて曰く。
一定の宿が無いと。
地獄の宿とすればそれほど良い宿ではないに違いないと
思うのですが、それはそれとして兎に角、あっちへ行っ
たりこっちへ来たりと、一定する住みかが無いというの
ですね。
これは何の罪でこうなったのでしょうかと聞くわけです。
目連、答えて曰く。
お客さんが来て、一夜の宿をと、来たときに拒んで宿を
貸さなかった。
そして困った人が入ってくると、もの凄く怒って追い返
した。
今その果報を受けて地獄に来たんだと。
これは想像以上に厳しい報いですね。

また或る鬼問うて曰く。
我生まれてこの方、亀のような腹の如く。
大きな亀のような腹をしているというのです。
喉細くして針の穴の如く。
お腹は大きくて亀のようで、喉が細くて食べることが出
来ないというんですね。
あの世はあの世で食べる物があるというのですね。

目連答えて曰く。
村長のような立場になって、我は村長だといって偉そう
にしたんですね。
そして自分の利益のことばかり考えて一般の衆生を苦し
めたというのです。
自分は美味しい物ばかり食べるけど、困ってる人があっ
ても人には与えなかった。
今その報いを受けて地獄に落ちてるんだと。
こういうお経がずらっとあるわけですが、これは
『鬼問目連経』というお経です。
鬼が目連に、自分はなんでこんなめに遭うんですか、と
問うお経です。
これは目連は問いに答えるわけですが、結局はお釈迦様
が目連の言うとおりだ、目連の言うことに間違いが無い
んだと、最後に締めくくるわけです。
だから、目連の言うこととお釈迦様のお考えと同じだか
ら、結局それはそのままお経だということになるんです。

次ぎのお経は、『雑蔵経』というお経です。
いろんなことを集めたという意味でしょうね。
同じような書き方ですが、又一人の鬼あり。
目連に申してもうさく。
我常に一つの大きな狗(犬)あり大きな牙がある。
眼は真っ赤で、そして襲ってくる。
そして我が肉を食らう。
大きな眼が真っ赤で大きな牙の犬が来て、私を食う。
そして肉を食われて骨だけになってしまうというんです。
それでもあの世は死なないんですね、霊魂ですから。
人間の世界だったらそんなことをしたら死んでしまうけ
ど、霊界というところはどんなことがあっても死なない
んですね。
そして骨だけになってしまった自分に、ふうっと風が吹