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和尚さんの法話 『生死の里に生れ来て、生死を悟る人はなく』

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しれは九十パーセント、或いは八十パーセントの業だと
します。
それを埋めるのにどうしたらいいか。
というと、自分の財産の半分を社会に寄附をしなさいと。
布施をしたら助かる。
ところがそれがなかなか出来ないですね。
それで後のことは何をしたって助からない。
パーセントがあがってくるほどしにくなってきますね。
だから祈ってもなかなかよくならなかったら業が決定し
てるのか、九十パーセントで信仰が足らんのか、懺悔が
足らんのかと、こう反省していきませんと、これだけ私
は努力もして善い事ばっかりしてきたのにと、そう思っ
たらそういうことも考えてみないとね。

阿羅漢である目連ほどの人でも殺されたんですから。
だから我々はどんな罪を積んできてるかわからない。
そういう反省が必要でないかと思いますね。

何時死ぬかということなんですが、若しかしたら今夜か
も分かりませんね。
仏教では「七種生死」という言葉がありまして、時間の
長短で七種類あるわけです。
一番長いのは、生まれてから死ぬまで。
一番短いのは、一息生死といって入る息は生で出る息が
もう死ぬんだというのです。
それから一連生死。一瞬の生死で、生と死は紙の裏と表
のような短いものだというのですね。
一年生死。年の始めが生で終りが死だと。
一月生死。
一日生死。
あとは時間でしたかね。
無常ということを兎に角やかましく言うんですね、仏教
は。
無常ということはこの世を儚うようなことですから、だ
から心無き人には敬遠されるわけですね。

だから今の仏教者は、この世は一番いいというような説
き方をしますね。
せっかく人間に生まれてきたんだから、死ぬという先の
ことは分からん、今生きてるこの一生が大事じゃないか
と。
それを聞いていたらもっともらしく聞こえるんですけれ
ども、それは逆ですね。
仏教がいっているように、この世は穢土で、この世は無
常で、仮の世で、そういう教えですね。
昔の坊さんがそう説いてきたんです。
昔の坊さんは、伝統的な仏教を守ってきましたからね。

明治からですね、それまではまあ真っすぐに説かれきた
けど、明治からだんだんと反れてきたと思いますね、科
学というものが入ってきたから。もの事を合理的に判断
しますから。
だから霊魂は証明出来ませんからね。
証明出来ないからあの世が無いというのは、浅はかなこ
とで、将来が分からんのですね。
その人は証明出来ないけど、霊魂は有ることは在るんで
すよ。
証明出来ないことは、無いんだということで坊さんや学
者方は自分じゃ新しいつもりで居るんですね。
あの世が有るなどと説くのは古くて、しかも迷信だとい
うような観念を持ってますね。これは逆ですね。

霊魂はありますよ。見れば納得するんですがね。
あの世が無かったら、なんのために仏教は要りますか。
仏教のみならず、宗教は要りません。
この世だけでしたら、宗教や仏教よりもっと大事なこと
がありますね、世の中に役に立つ仕事。
あの世が無かったら、仏教や宗教というのはどれだけ役
に立ちますかね。
そんなものが無かったって修行したかったらすればいい
んだし。
道徳でもそうですし。社会事業も出来るんだし。

ところが、あの世が有るとなってきて、そのあの世とい
うところに段階があって、極楽というところには極楽に
行く条件が有ると、そうなってくると、他の仕事では役
に立たない。
それは其の路其の路、特に浄土門には浄土門の道をじっ
くり聞かないと出来ないことですね。
他の道では、医学にしろ、芸術にしろ、政治にしろ、我
々を極楽へ往生させてくれることは出来ません。
然しこの世は、政治とか、医学とか、芸術とか、いろん
なものがあってそれで十分ですね。

あの世が無かったら、仏教や宗教が入り込んでこなくて
も必要ないですよね。
坊さんもあの世が無かったら、葬式してお勤めしてお金
を貰って、是では只の商売ですね。
然しそうじゃないんですよね。