夜風荘☆青夜【弐】
秋に詠う②
【月見酒】
盃に たゆたゆ浮かぶ 満月を
飲み干す美酒(うまざけ) ひとり月見酒
【熱い視線】
背中越し 視線を感じ 振り向けば
雲間からチラリ 流し目の月
【子守り歌】
母を呼ぶ むずがる妹 背にあやし
子守り歌はと 窓辺にこおろぎ
【召しませもみじ】
可愛いねぇ もみじの手のひら 食べたいねぇ
慌てて隠す この子が愛しい
【二人心中】
月が昇る すすき野原の 銀の海
身の丈沈む 二人手を取り
【かくれんぼ】
空に浮かぶ 恥ずかしがり屋の お月さん
雲に隠れて イナイイナイバァ
【夜鳴】
千夜一夜 待てど帰らぬ 男(ひと)想い
歌姫は鳴く 愛(かな)しいと鳴く