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葉山 篤人
葉山 篤人
novelistID. 47616
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(仮タイトル)

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一月さんの急な行動に一緒にご飯を食べていたグループの子達も驚き何事かと彼女に注目するが、一月さんはそんなこと気にせずどんどん僕に近づいてくる。
「私に何か用かな?少年」
空いているイスを引き寄せてきて僕の隣に陣取りつつ気さくに話しかけてくる。
人の少ない時に話すことを想定していた僕としては完全に不意打ちを食らった形になってしまいなんと返せばいいかが浮かんでこない。
一月さんが僕に声をかけたことによって彼女と一緒にいたグループの人だけでなく近くにいた数名の人もこちらに注目し始めてしまった。
注目されること自体は別に恥ずかしくもないし気にならないのだが、ここまで注目された状態で本題に入るのは周りに聞かれそうだし得策ではないだろう。小声で話すという手もあるにはあるだろうが一月さんみたいな可愛いこと内緒話なんてしていたら周りの男子が嫉妬して優越感に浸れる・・・じゃなかった嫉妬して探りを入れてくるやつもいるかもしれない。
それが原因でこの件に他の人を巻き込んでもいけない。
となるとここは後で話せるように約束を取り付けておけばいいか。
「ここじゃ話しにくいんで、また後ででも」
「そう?じゃあ放課後にしよっか」
「うん、お願い」
「良かった、私も今日なら大丈夫だから。じゃあまた後でね少年」
言い終えると引っ張ってきたイスを戻してから元いたグループの輪の中へと戻っていった。
「一月さん急にどうしたのー?」
「なんか目が合ったから私に用かなと思って話してきただけだよ、告白とかされちゃうかと思ったけどそんなことなかったよ」
「なにそれー珠希ちゃんじいしかかじょーじゃん」
「あははー恥ずかしいことしちゃった」
なんて話声が聞こえる。まったく恥ずかしいのは皆に注目されちゃった僕も同じだよ。
「いやまぁ恥ずかしくは無いんだけどね」
予想外の形ではあったけれど放課後会う約束を取りつけられたのは大きな収穫だったのでずっと一月さんを観察していたのも無駄じゃなかっただろう。
収穫と言えば一月さんの事で分かったことが一つ、どうやら彼女のことをたまちゃんと呼ぶ人はいないらしい。
作品名:(仮タイトル) 作家名:葉山 篤人