(仮タイトル)
第1章
5月のなかば
高校に入学しゴールデンウィークも終わりクラス内でグループも形成されてきたこの時期僕は1人窓際の席で孤立していた。
孤立している理由はいじめられているからとか、人付き合いが苦手とかいう理由からではない。
幸いこのクラスは人を蔑んで快楽を得るような嫌なやつはいないようなのでいじめが起きそうな雰囲気はない。
では、なぜ僕が1人で孤立しているかというと・・・なぜだろうか?
自分で言うのもなんだが僕はコミュ力は高い方だと自負している、実際中学生の時はクラスの中心的な存在だったのだし。
きっとなんとなく自然にそして不自然に孤立していったのだろう。
強いて理由を見つけるとしたら偶然にも教室での席が窓際の一番前という孤立しやすい席になってしまったからだろうか。
ただまぁ僕はこうして孤立していることに危機感などはまったく抱いてない、それどころかこうして1人で周りに気を使わず使われずというのを心地よく感じているくらいだ。
と、こんな風にどうでもいいことを考えている間にホームルームが終わったようですでに半数以上の生徒が教室を後にしていた。
「僕も帰ろうかな」
誰に向けていうでもなく呟いてから荷物をまとめて教室を後にする。
学校で人と話すことが少ないせいか最近はよく1人言を言ってしまう、小声で言ってるし近くに人がいないときにしか言ってないから周りには聞こえてないはず、聞こえてないよね?