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【ラッキーマン】次男

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「馬鹿野郎ッッ!!!」
兄の声が、頭に響き渡る。
「どんだけ俺達が心配したと思ってるんだ…」
もう聞き飽きた言葉だ…
「お前も正式なヒーローなんだからもっと礼儀というものを身につけろ…」
そうやっていつも怒鳴るお前はどうなんだ…
いつもいつも頭の中で返す文句。
「ハイ兄さん」「わかりました兄さん」「うん、兄さん」「大好きだよ、兄さん」
口から流れる言葉はまるで本物。これを言ったらなんでもすぐに解決しちゃう。
兄は全く気付いてない。同じヒーローとして情けないね…
一発言ってやろうかって思うときは何度もあった。

でも、どうせこのことを知ったら兄はきっと僕なんて殴り倒しちゃう。

暴力だけで解決する兄。まったく誰に似たのか…


「こんな時間まで何してたんだ…」
沈黙の中をすり抜ける言葉。

「友達と遊んでたんだ。別に危険なこととかお金つかったりとかしてないから。」
僕の視線はいつも斜め下。兄は必死に僕を見つめる。

「だからといってこんな時間まで連絡もしないとはどういうつもりだ!!」

ああ言ったら、こう言う。
こう言ったら、ああ言う。

繰り返し。

もううんざりだ。こんな寒い外で怒鳴られて…
いい加減にしてくれよ…もう中に入りたい…


兄がまた何か発言しようとしてるのか、大きく息を吸った。
もううんざりだ。
作品名:【ラッキーマン】次男 作家名:麺子。