小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

Daybreak 〜その先にあるもの〜

INDEX|28ページ/30ページ|

次のページ前のページ
 

校内でのアンサンブルコンクール出場オーディションでは、見事に私達クラリネットアンサンブルと金管7重奏が選ばれた。金管グループには愛菜とサナエもいる。「幸!お互い頑張ろうね!」愛菜が笑顔で言ったから「当たり前じゃん!目指せ金賞よ!」と笑顔で答えた。私と愛菜は本当に仲が良くなっていた。部長として上手くいかないときは助けてくれたり、信頼していたし大好きな存在だった。美也子は不機嫌そうに私と愛菜とのやり取りを見ている。あー、今日は機嫌悪い日だな。練習の時だけはせめて態度良くなってて欲しいな~と考え込んでいたら、愛菜が言った。「ね、幸?幸大丈夫?」「え?何が?」唐突だったから何の事だか分からなかった。愛菜は、「んー、幸最近暗い顔浮かべること多いから。美也子の気分屋加減すごいじゃん?あたし、幸と美也子が一緒にいるの毎日見てて思うんだ。ずっとあんな調子の美也子と一緒にいて幸いつもニコニコしてるからすごいなーって。」と心配そうに言った。泣きそうになった。見ててくれている人がいるんだ、気付いてくれる人がいるんだと。「本当に心配なんだよ、幸のことが。だから、何かあったらいつでもいいなよ!」「うん、ありがとう。」その一言しか言えなかった。それ以上何か言葉を発すると私は泣いてしまうと思ったから。場所も音楽室だし部員もたくさんいる。感情がぐっとせり上がりそうになった時良いタイミングで美也子が「幸ー!ちょっとここ教えて欲しいんだけどー!」と私を呼んだ。「オッケー!行く行くー!じゃあ、私練習再開するね。また部活終わった後でね。」と愛菜に笑顔で言った。いや、笑顔で言えた。美也子に救われたなと思わず苦笑してしまった。