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Daybreak 〜その先にあるもの〜

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私の学校では、初めに学力テストが行われる。英数国の3教科。周りもそれなりに勉強をすると思ってある程度の試験勉強はしておいた。さすが学力の低い高校というか、学力テストの簡単さに驚いた。私は中学の頃成績は中か中の下だった。特に数学なんてものはさっぱり分からなかった。そんな私でも高校の学力テストの数学は程々にできた。
授業も始まり学力テストの返却があった。私は3教科とも90点以上だった。美也子が「幸、すごい!全教科とも90点以上じゃん!」と大きな声で言ったので、当然周りにも聞こえる。すると、クラスの全然喋ったことがないような男子や、千夏、あやちゃんたちが揃って「幸って頭良いんだね!」や「え?岡田何点だったの?95点?ありえねー!」などと言い出した。気合いを入れて勉強していたのは私だけで、クラスどころか、学年全体を通してもしっかり勉強をした生徒などいなかったのだ。周りの点数は言ったらわるいけど本当に低かった。3教科とも90点以上だった生徒は全クラスを通しても少なかったみたいで、私は全校生徒の中で学年トップの成績をとった。
その時から「岡田幸は優秀で頭が良い」とクラス全体のみならず教師達一同にも浸透してしまった。初めは嬉しかった。こんな良い点数をとったのも、学年トップになったのも初めてだったから。でも、嬉しかったのは最初だけ。教師達が私が賢いと思い込んでしまったのが間違いだった。そして、好成績でないとダメという地獄に私ははまった。それは、もがいてももがいても抜け出すことの出来ない、まさにアリ地獄だった。