退廃庭園にて。
……そろそろお別れの時間になっちゃった。体も。もう半分消えているんだ。ゴメンねバイバイ」
そこでボイスレコーダーから流れてくる音は雑音となった。
でも電源を切ろうとは思わなかった。彼女の告白で自分も気付いた。
僕も、彼女のことが好きだ。大好きだ。
でもこの言葉を送りたい相手はもうここにはいなくて。どうすることも出来ない。
ああ、だめだ。僕も泣いてしまうよ。昨日の君と同じように泣いてしまうよ。
どんなに我慢しようと抑えきれない衝動が体全体に襲いかかってくるんだ。
震えた手でボイスレコーダーを手にとって抱えて。
「僕も君が好きだったよ……愛璃」