魔女と魔女狩り Ⅱ
―3章―
私は彼に抱き上げられたまま路地裏を進む
「…もう、暴れないから降ろしてくれ」
私は冷静さを取り戻してそういうと彼は静かにおろしてくれた
「なぁ、レイラ。
なんであんなに反対したんだ?」
私は黙ってうつむいていると
「…それくらい、教えてくれてもいいんじゃねぇか…?」
そう呟くように彼は言う
「言ったらお前は……」
私は言おうと思った。
でもそのすぐあとに言えないと、思った。
誰にもいうことはできない
私の秘密。
「…言えない、か」
彼は少し残念そうにいうと私の頭に手を乗せた
「俺は今も昔も、これからもお前の仲間だから。
いつか、話す気になったら、言ってくれよ」
そういって彼は手を離した
私と彼はずっとずっと仲間だ。
大切な仲間、だから言えない。
彼とは恋仲ではないから。
友達ではないから、
だから、言えない。
……だから、言わない。