小説が読める！投稿できる！小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ！

電車から覗く風景は、毎日淡々として、面白みが無い。
僕の日常もそれと比例しているのか、淡々と日々を重ねているだけ。

こんな毎日が一体いつまで続くのだろ？
日本人の平均寿命が男で７８歳とすると…
２６歳の僕はあと５２年。

コレといって不満がある訳ではない。
それなりにだけど、小さな幸せもあると思う。
彼女もいるし、その彼女とは結婚も考えている。
彼女も普通にＯＬをしていて、相性についても普通に気が合い問題ない。
全く持って平凡を絵に描いたようだ。

でも、電車に乗っている時に、ふと思うことがある。
本当にこれでいいんだろうか？
日常から外れた波乱万丈な世界を望んでいる訳ではない。

でも、ふと思う。
　
　これでいいんだろか…と

そんな思考は僕の自由だし、誰かに聞いて欲しい訳でもない。
というか、この考えを他人の前で言う勇気を、僕は持ち合わせてはいないのだ。
もし言って、呆れた顔で見られるのは嫌だ。

そんな時、僕は会った。
あの子に・・・。


「ねーねー」
僕のスーツの裾を、誰かが引っ張る。
引っ張られている裾の先を見ると、制服姿の女の子が立っていた。
「えっと……誰？」
僕には、高校生の知り合いはいない筈である。たぶん…
誰かと間違えているのだろうか？
「知り合いじゃーないよね？」
そう彼女に問いかければ、僕の困惑した顔でジーッと見つめている。
「知り合いじゃないけど、いつも同じ電車だよ」
「は？」
それは気が付かなかった。
結構可愛い子だから、もし毎日同じ電車ならば気が付いてもいいはずだけど。なんて思うものの、それだけ僕は車内でボーッとして周りを見ていないという事だろう。
「とりあえずー次の駅で降りてくんない？」
何故か、腰に手を置き仁王立ち…。
威張られてる？いや、何か怒ってるのか？
「え？」
訳が分からないながら僕の思考から、１つの最悪な予測が浮かび上がった。
彼女の台詞＋態度＝も、も、もしや!
僕は、痴漢に間違われているのか!
そりゃあ今、淡々とした毎日に少し食傷気味ではあったけれど…
こんな不祥事、全く望んじゃいない！
それも…やっていない痴漢行為だなんて!!!

彼女の台詞に僕の周りにいた人々がチラチラとこちらを見ている。

そ、そんなーぁぁぁ