翔ける蒼
「今どこ(((^^;)?実はボク寝坊しちゃって少し遅れちゃうんだ(-_-;)お昼奢るから許してね(´・д・`)」
俺は、「先輩の心の中です。それと、昼御飯は先輩がいいです」とメールしようと思ったが、やめた。
そんな臭いこと言ったら、しらけそうだからだ。
飯田橋に到着。日曜日ということもあり、人も多い。さて、俺のマイスイートエビバディプッチンはどこかな?マイスイートって、意味分からないな。
不意に目を隠される。
「つ、ついに世界に終焉が訪れたのか!?そんな!俺は先輩のオッパイを揉みし抱くまで死ねないのに・・・」
「何言ってるの?」
目から手が離されると、先輩がそこにいた。しばし、ソコに座り込む俺。
「どうしたの?!気分悪いの?」
「いえ、先輩の美しさに立ちくらみを起こしただけです」
「へぇ。そんなに今日のボクカワイイ?」
「女神です。もしくは、天女です」
「はっはっは、照れますな。よし、今日は好きな物食べていいよ。何を食べたい?」
「先輩でお願いします」
「却下」
「じゃあ、先輩のストッキングで」
飛びひざげり炸裂。顔面がメリッといった。少し痛かった。いや、特に痛くはなかったかな~?どうかな~?
「えっちなのはダメ!」
「ふぁい」
「えろいのもダメ!」
「ほい」
「やらしいのは、OK」
「マジすか!?」
「嘘」
その場でずっこけて、地面を5メートルほどスライディングする。地面よお久しぶりりあんと。
「しかし、先輩の私服は初めて見ますね」
「あり?そうだっけ?」
「ええ、綺麗です」
先輩は顔が少しだけ赤くなっていた。可愛い。食べたい。
先輩は黒い無地のカットソーに、青い少しスタッズが付いたジャケット。赤いスカートにニーソックスという組み合わせだった。
「そのアクセサリーはしまむらですか?」
「ううん、ロードキャロット」
聞いたことない。しまむらマスターの俺に分からないブランドがあるなんて・・・。
「何円くらいですか?1000円くらい?」
「そんな訳あるかい。20000円くらい」
先輩と俺の住んでいる次元すら違うと感じた瞬間だった。だが、愛は次元を超越する、はず。
「ボク、お腹減ってるんだ。先にご飯を食べようよ」
「いいですね」
「何がいい?」
「ラーメンとかどうでしょう?」
「お!ボクいいとこ知ってるよ」
そう言い、先輩に連れてこられたラーメン屋「こう徳」は行列ができていた。どうやら売れているらしい。名前を聞いたことあるような気がする。あくまで、気がするだけ。
「少し待つけれど、いい?」
「先輩となら、永遠に待ち続けたいです」
「はいはい」
ここは食券を買うシステムなのだが、先輩はラーメンの券を3枚買っていた。細いのによく食べるなー。ちなみに俺は、1枚だけ。
「んっはー!美味い!美味すぎるぜ!死んだじいちゃんに食わせたかったなぁ」
先輩がしじみ汁を飲んだように感嘆の声の漏らす。そんな先輩も可愛すぎて辛いわよ。なんかカマっぽくなってるわよ。特に気にしないわよ。
「美味しい?優陽」
「はい、先輩を見ながら食べると味に深みが増します」
「よかったじゃん。あ!すいません、追加で高菜ご飯を2つ!」
先輩は嬉しそうに手を上げ、注文していた。
どういう胃袋してんだろ。養っていけるかな。とりあえず、ヒルズ族くらいになれば大丈夫かな?
「お腹一杯、夢一杯」
「でっかいおっぱい」
「精子からやり直せ」
笑顔で親指を下に向ける、先輩。きっとこれは、「デザートは優陽がいい」というサインだろう。笑顔だし。
にん徳を後にして、スポーツ専門店へ。日曜日ということもあり、店内はわちゃわちゃと人が多かった。オラ、わくわくしてきたぞ!
「あ、これいい匂い!」
先輩がマッサージオイルのサンプルを嗅いでいる。小さい鼻がほんの少し動いている。もんのすっっっっごくかわいい。
「ほら、優陽も嗅いでみなよ!」
「では」
といい、先輩の頭をくんかくんか、hshsする。先輩の愛の鉄槌が降される。ここまでデフォルト。全く痛くない、はず。
「優陽、次にそれやったら、五寸釘をぶっ挿すからね」
「ふぁい」
五寸釘はさすがに耐えられないんじゃないか・・・。いや、ラブでどうにかなるか。愛は最強だからね。いや、もしくは、最凶?
「あ、この靴いいなー、ペンタ可愛い!」
ペンタってなんだっけ。あ、ギガの上の単位か。先輩の例えは独特やな。なんで、関西弁になってるばい?
「優陽はこれがいいね」
「じぇじぇ!?」
先輩の指先には、ALFEEの○見沢さんのような羽が付いていて、今にも、さあ空を飛ぼうぜ!さあ、さあ!!レッツフライ!!という靴があった。
「いいですね、買いましょう」
「おお!そうこなくちゃ」
先輩のシューズを買うつもりが、自分にすてき、すてき、ちょーすてきシューズを買ってしまった。
まるで俺が浮かれているようではないか!浮かれてるよ!!飛んじゃいそうだよ、フライアウェイだよ!?
「ボクこれにしようかな」
先輩はショッキングピンクのラインが入った可愛らしいシューズを手にして、俺にとてとて駆け寄ってきた。
「優陽、これとかどうじゃろうか?」
「先輩のセンスに脱帽し過ぎて、ハゲ散らかしそうです」
「それ、誉めてるの?」
「先輩をけなすくらいなら、この命を自ら断ちますよ」
先輩は一瞬顔が赤くなった。
それを隠すように、ぶん殴られた。理不尽だけど、先輩だから問題ナッシング。むしろ、ドレッシング。先輩にシーザーサラダドレッシングかけ・・・、なんでもないです。
「今日はありがとうね。また明日」
「もうお別れですか?いっそ、エデンの庭を一緒に探す旅をしませんか?」
「じゃあね」
最後の一言が軽くスル―されたが、問題ドレッシング。先輩は駅へと姿を消していった。
・・・さて、問題はこのシューズだな。とりあえず、ベランダに出るときに使おう。