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未花月はるかぜ
未花月はるかぜ
novelistID. 43462
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そらのわすれもの2

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琴恵は、風の魔法の術者で、知秋が人間じゃないことを知っている。そして、彼女が抱えている昼と夜で人格が入れ替わる問題。それも理解していた。
しかし、琴恵は、ますます残念そうな顔をし、ノートをベラベラと捲り始めた。
「毎回毎回許してられないわ。これだけオカシイ箇所があった。」
2冊のノートには、びっしりと付箋が付けられている。どうやら、その付箋は、知秋が美紗のノートを写したと思われる場所に貼られているようだった。
「こんなのチェックしているなんて、暇すぎるだろ!?」
知秋は、ノートをベラベラと捲る琴恵の手を掴み、睨んだ。
「授業中、内容が全く解らなくて暇してる貴方よりはマシよ。中間テストの時にどうするわけ?」
琴恵は知秋の腕を振り払い、ノートを閉じて、じっと知秋を見た。
「いいんだよ!勉強出来ても意味ないし…。」
知秋は悔しくなって、ムッとした表情をすると、琴恵からノートを奪い取った。すると、バサッとその拍子に3枚のプリントが落ちた。
知秋がしゃがんで、それを手にする。すると、琴恵はニヤリと笑った。
「何だよ…これ?」
「中間テストの問題と解答よ。まだ、校長に見て貰ってないけど、あまり内容に変更は無いと思う。」
知秋が半信半疑でプリントを開くと、そこにはパソコンで打ち込んだ英文の問題と解答があった。
「何のつもりだよ。」
知秋は眉をしかめ、プリントを突き返した。
「そこさえ抑えとけば問題無いから…。解らないところは、早めに聞いてくれれば答えるわ。」
琴恵は立ち上がると、目を合わせずに、知秋にそのプリントを再度渡した。知秋は、それをじっと見ると不快そうに口を歪めて、プリントを握り締めた。