しかくのなか(4/10編集)
埃一つ無い、一切の色が省かれた白の空間。少女はロココ調の天蓋付きクイーンベッドベッドの上で、天井を見上げている。一色で作られた彼女の部屋には、たくさんの人形が陳列されていた。豪華なアンティーク人形からフリーマーケットで売っていそうな手作り人形まで多種多様だ。
その中で、銀髪の少年を模した人形を抱え上げ、一層大切そうに抱きしめながら笑みを浮かべると、その人形の首元に薔薇の首輪をはめた。
「つむじまがりの メアリーさん
あなたのにわは どんなにわ?
かいがらならべて ぎんのすず
きれいなむすめも いっぱいだ!」
少女は笑みを浮かべたまま、可愛らしい声音で歌っている。
作品名:しかくのなか(4/10編集) 作家名:狂言巡