小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

Da.sh Ⅱ

INDEX|31ページ/57ページ|

次のページ前のページ
 

 オレは、設計図を描き上げると・・・外見だけの簡単な物だが・・・一文字隼人さんが集めた廃品の中から、自分自身の目で使える物を選別し、足らないものは、隼人さんと親しくなっている古物商から、自分自身で仕入れに行った。いつも、明良君が運転をし、守君の付き添いとアドバイスがあったが。
 そうして作り上げた、形だけの物質伝送機、2台。
 その写真と、さらに性能をアップさせるための投資への勧誘及びその完成品の購入、技術を含めて売り渡しても良いという内容をしたためた文書を、ホシノテックの社長、星慎之介宛に送り付けた。

 電話は、代行業者と契約。必要とあれば、公衆電話から折り返し掛ける。出来るだけ足跡を残さない事が、重要である。これは、明良君からのアドバイス。
 そして案の定、星は餌に食らいついてきた。
 詳しいことは直接会って話をし、現物を持参してデモした上で、買うかどうかを決断してもらうこととなった。

 太郎さんのなめらかなしゃべり、光圀さんの器用な手を期待して、ふたりにホシノテック社長たちと、現物とともに会ってもらうことにし、その時の口上や動き方などの練習を繰り返し行った。
 そうして、考えられる質問に対する答えを、太郎さんは習得してくれたようである。
 どうしても答えられないようなこと、専門すぎる詳細については、オレが声をごまかしながら応じるつもりでいる。
 光圀さんの動きを悟られることのないような立ち位置と、光源の位置と強さ・・・これは、目を傷めるほどに強くしてはいけない・・・などなど。

 明良君、俊介君、守君の3人は表には決して現れない、という条件で協力してくれている。ただし、入金のための口座開設には、骨折ってくれた。
(株)夢未来工房・西田俊行名の口座は、隼人さんが銀行へ赴き開設。ホシノテック取引銀行のメガバンクのひとつ、東青梅支店へ明良君が運転する車で、守君も付き添って出かけたそうだ。隼人さんは久し振りのドライブに、喜々としていたという。
 隼人さんの運転免許証がまだ有効だということが分かったためで、名前と住所だけを書き換えたそうである。無論、違法行為である。
 ああ、すべてが違法行為となるのだった。

 胸に社名を刺繍してもらった、淡いグリーンの作業着4着は、古着屋を回ってなんとか調達できた代物だ。着古した感じが長年着用しているように見えて、ちょうどよい。
 車の側面に [株式会社 夢未来工房] という縦長のステッカーを張り付けて、準備完了。
作品名:Da.sh Ⅱ 作家名:健忘真実