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未花月はるかぜ
未花月はるかぜ
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After Tragedy5~キュオネの祈り(前編)~

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「え…そうなんですか?」
「王様レベルでないと知らないことだから、くれぐれも内密にしてね。」
 そう言うとデメテルは、キュオネの方を懐かしそうに眺めた。キュオネは、それに気が付くと背筋を伸ばし、満面の笑みで応じた。
「キュオネ、一緒に来てくれるよね。」
 デメテルがそう言うと、キュオネは不思議そうな顔をした。
「人間が神界の門を通るときには、1人につき2人の神界の住人の同行が必要なの。」
 キュオネの顔が一瞬曇った。神界の住人として自分がカウントされたのに戸惑いを感じている様子だ。
「いいわよね?」
 デメテルが聞くと、キュオネはキロの顔を一瞬見て承諾をした。
 僕は、キュオネが出会った日に魔法を使うことを躊躇ったのを思い出した。キュオネは、自分を精霊として、カウントされることが嫌なのかも知れない。