小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
未花月はるかぜ
未花月はるかぜ
novelistID. 43462
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

After Tragedy5~キュオネの祈り(前編)~

INDEX|2ページ/9ページ|

次のページ前のページ
 

 トイはキョトンとし、尚、一層ニヤニヤし始めた。
「いや、お前が今暮らし始めたところのお嬢ちゃん。フェアリース様に似ているから、それで気になるのかな~って。」
「似てない。」
 僕は、思わず否定をしてしまった。
「そっかな、似ていると思うんだけどなぁ…。」
 トイは、楽しそうに僕に絡んでいたが、廊下から声がしたのを聞くと、僕から離れ、そちらに向かった。
 
 キュオネは、他人のそら似ではなく、実際に天才と謳われたレーニス・フェアリースの娘である。僕は、彼女が人間界で暮らすことになったその日にひょんなことでその秘密を知ってしまったため、口封じも兼ねて彼女と暮らすことになった。僕としても、トイの家にずっと住むことに限界を感じていたので、その提案には、助けられたのだが…。

 トイがドアノブに手をかける前に、扉が大きく開け放された。そこには、黄色い服を着た癖っ毛の少女と金髪に長身の女の人がいた。
「お迎えにきたよー!!!」
 黄色い服を着たキュオネが僕に笑いかける。
「おお~、レーちゃん!」
 トイは、へらへらとキュオネの肩に手をかけた。レーちゃんとは、キュオネにトイが付けたあだ名で、レーニスに似ているから、レーちゃんらしい…。
「こんばんは!」
 キュオネは、それに対して笑顔で返しているが、隣のキロはトイを睨んでいる。僕は、ヒヤヒヤした。キロは、昔、神様に盾突いて反乱を起こしたグループの頭の右腕で、はっきり言って危険人物である。僕は、会って早々にナイフを向けられ、殺されかけた。
「トイ、そのレーちゃんっていうのはやめないか?」