心の病に挑みます。
A 仕事が忙しくて薬を飲み忘れ体調を崩したこともあります。朝早く起きて人生を充実させようと頑張ったら不眠と早朝覚醒が続き、入院し休職したこともあります。夜、薬を飲む時間が遅くなり朝起きるのが遅れたり、これがたまにあります。
Q 仕事でつまずくところはあるか?
A 数字のミスが時々あります。そのミスを指摘されたときに、爆発しそうになるときがあります。そのときは、他の人にもカバーしてもらったり自分ひとりで抱え込まないように配慮してもらっています。
Q 体調について、仕事中にしんどくなることはあるか?その時はどのように対処しているか?
A 頑張りすぎて煮詰まってきたとき、人がたくさんいて疲れたとき、奥の部屋でそっと休むか、昼休みに近所の公園にでかけ、コーヒーを飲んでボーっとします。
Q 健康管理で気をつけていること
A やっぱり睡眠時間の確保です。まず帰ったら早く寝られるよう段取りすることを心掛けています。それと糖尿病にならないような食事、脂肪肝を改善できるように栄養をとること、気がついたときにラジオ体操、たまにマッサージにも行きます。30代後半になって、自分の健康を真剣に考えるようになりました。
Q リフレッシュ方法など
A どうすれば気持ちよく休めるかをいつも考えています。お気に入りの喫茶店で雰囲気に浸かったり、休日の朝自分の部屋で煎れ立てのコーヒーを飲んで好きな音楽を聴いたり、もの書きなどをする時間が楽しみです。たまに競馬もします。
Q 読者の方へのメッセージなど
A 病気になったからといって、悲観することはないと思います。自分のこれまでの歩みを振り返り、新たな道へと開くきっかけになると思うのです。これまで多くの当事者の先輩方や研究者の方々の努力のおかげで病気があっても自分らしく生きていける道が随分増えたと思うんです。苦しんだ人こそ最も幸せになる権利があると私の人生の師匠はおっしゃっています。この病気になる人は、みな純粋で真面目で一生懸命に生きています。これからは、病気と上手に付き合いながらむしろ病気をネタに人生をたくましく歩んでいこうではありませんか!
<章=あとがき>
統合失調症を発病したけれど、“普通”に暮らしたい。皆と同じように“普通”に働きたい。私は、その“普通”を実現するために、壮絶な葛藤と努力をし、周りの方々の応援を受けてはじめて今の生活があることに感謝の想いはつきません。“普通”に働きたいと必死になって健康になろうとしていた20代の自分。人間関係でいつも行き詰まり、転退職地獄でもう生きたくないと思った30歳前半の自分。当初は絶望の人生だと思っていました。しかし、人生をリセットする覚悟で障害者就労を選択したところ、ハローワークの職員の人が意外にも差別の目でみることなく、親切に手続きをしてくれたのです。精根尽き果てた自分に、まだ手を差し伸べてくれる人がいるんだ。そんな気持ちでした。就労支援施設での訓練も正直苦しいものがありましたが、企業実習ができることが唯一の救いでした。
実は、PSWだった当時、障害を開示しながらも生き生きと働いている当事者の話を聴き、「自分も今は病気を伏せて働いているが、やっぱり障害をオープンにした方が安心して働けるかもしれない。しかも皆の前で希望を送ることができるかもしれない。」とうらやましく思っていたのです。必ず自分も働けるようになる!そう自分に言い聞かせ、訓練を経て、障害を開示して就職することができました。働き始めて半年ほどしてから、JSNから当事者講師の話を頂きました。天にも昇るかのような嬉しさでした。働くこともそうですが、それ以上に、自分も多くの人に希望を送れる存在になれる!語れることが嬉しくて、質疑応答後の人に尽くせたという心地よい疲労感がなんともいえぬものに満たされます。
この小説は、そんな一連の自分の苦労と喜びを5年ほど前から書きためてきた小説風の自伝ですが、最後の大分講演から半年後、体調不良で3週間ほど任意入院してしまいます。やはりストレスに弱い部分は変わらないのだなと改めて自分の身体との付き合い方の難しさを感じています。
こんな“しんどい”部分を抱えながらの半生ではありますが、信仰や支援機関の方々との出会いで希望がもてるようになれたことに感謝しながら書き綴りましたので、全体的にきれいにまとまってしまっている感じもあるかもしれません。ただ本書を読んでくださった方々が何らかのヒントを得てもらえるならば望外の喜びです。
今に始まったことではないのですが、精神の当事者活動をすすめていくことが、四六時中頭から離れません。自分の体験を、地域や社会で存分に活かしていきたい。それをするのが私の使命だと感じています。ただ、やみくもに行動することは、自分の身体のためにもよくありません。試行錯誤しながら慎重かつ大胆に進めていきたいと思います。私の生きている限り、『心の病に挑みます。』は続くでしょう。同じ病を持つ人々と、また関係者の方々とともに、私の歩みはこれからも続いていきます。長文読んで頂き、大変にありがとうございました!