だるまさんがころんだ
「だいたい親バカなのよ。」
「あら、そういうけど
パパ、のりちゃんのときもすごかったわよ。
この子は指が長いから
ピアニストにしようかなんて
ご機嫌だったわ。」
( ̄Θ ̄;) ムゥ
「な~にいってんの!
こないだゆかちゃんちが
ピアノ買ったから
あたしにもっていったら
こっぴどく怒られたわよ。」
だんだん怒りがこみ上げてきた。
「そうよ、この前の日曜だって
公園で遊太と
《だるまさんころんだ》やって
遊んでたのよ。
あたしがオニになって
遊太を追いかけ回してたら
ぶつかって転んじゃったの。
パパもおかあさんも慌てて
ぎゃあぎゃあ泣いてる遊太に駆け寄って…
あたしなんか
鼻血出てたのよ、鼻血!!!」
「ぎゃはは! そりゃ災難だったわねぇ。」
お仏壇のママの写真が
カラカラと音を立てて笑った。
「わかったわ。
パパもおかあさんも
あたしのこと、ど~でもいいんだ。
よし、決めた!
家出してやる!
ふたりがどれくらいあたのしことを
大事に思ってるのか確かめるのよ。」
スックと立ち上がったあたしの耳元で
ママが冷たくいった。
「クレヨンしんちゃんの時間までには帰りなさいよ。」
作品名:だるまさんがころんだ 作家名:遊花