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超未来

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ところがそんな物思いにふけりながら生活していたとある日、黒いスーツを着た男たちが来てアドバルーン千恵子はどこだと私に問いただしたのである。アドバルーン千恵子は芸能人だし、あんなものは博多の珍しい野菜だと思っていたので私はあんなやつのことは知りませんといったのだ。そうすると、やつらは帰ったもののなにか腑に落ちない感じがのこり、私はアドバルーン千恵子のことを知ってますかとお隣さんに聞いてみたのだ。お隣さんは苦虫を噛み潰したような顔をして、なんでそんなことを聞くんですかうげげげげげやああああといって家の中に閉じこもってしまった。閉口せざるをえない。彼女は美人な女子大生だったのだがいくら美人でも私はああいうメンヘラみたいな女は嫌いだ。もっとましなやつに聞こうと思った。

私は次の日霞ヶ関や丸の内の有名商社や官庁街をアポなしで渡り歩きアドバルーン千恵子のことを問いただした。私のパパは内務大臣なのである。だからアドバルーン千恵子が危険分子であったら戸籍から抹殺してしまうことだってパパに頼めば不可能ではないのだ。やじろべえPPはあらゆるところに浸透していて、その中に麻薬が入ってるなんて誰も知らなかった。私はその話を博多の野菜女アドバルーン千恵子から聞きだしたのだ。いや、正確には奴が勝手にしゃべって俺に吹き込んだのだ。野菜の癖に生意気だろ。野菜はおとなしく土に埋まっており、来るべきとき、ところで人の食の用に供されるべきだ。砂糖の670倍の甘さを持つといわれるやじろべえPPはもうあじのもと並みに食卓には欠かせない甘味料なので煙草のように黙認されているのだ。もしそれがどんなに有害な物質であろうとも、日本どころか世界中で当たり前に消費されているのでもはやその害毒を推し量ることなどできないのである。

アドバルーン千恵子と財団法人超未来の理事長はたぶん不倫関係にあるのだ。なぜ人と野菜が不倫関係に陥ることができるのか。かつて、かつてといわなくても今現在遊牧民族の男子はヤギとも交合するし、象といかがわしい行為を行おうとして死んだ男もいる。そうすると野菜と人との不倫関係はあながち荒唐無稽とはいえないのである。僕らはやじろべえPPにより麻薬汚染の渦中にあり、野菜が私にしゃべりかけ、その元凶たる超未来の理事長までもが野菜と不倫するほどの薬物中毒者になってしまったのだ。

そもそも僕のパパが内務大臣だなんて嘘だ。内務大臣なんて役職が日本にあるわけないじゃないか畜生。どっかの独裁国家ならまだしも。そもそも野菜は農林水産省の管轄だから戸籍は抹消できない。まずもって戸籍すらない!
作品名:超未来 作家名:nekopoo