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桜のころ

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 私は何をしたかったんだろ。ただ彼をイタヅラに困らせ、迷惑をかけただけだ。なんて意味の無いバカな行動したんだろ。もう最低だ。涙が溢れて止まらなかった。
 そばに桜の木があった。見上げると蕾が膨らんでいた。
 もう彼に合わせる顔がない。とにかく謝ろう。帰ってメールで謝ろう。そうするしかない。私は調子に乗りすぎていたんだ。反省しよう。
 ここで泣き顔で佇んでいる自分も恥ずかしくなり、立ち上がった。さぁ帰ろう。
 駅に入ると、秀之君がいた。驚いた。私を探してくれていたのだ。目が合うと、今度は笑ってくれた。堪らなく嬉しくなり、私は彼に駆け寄りキスをした。
 駅の中。沢山の人が見ていた。

作品名:桜のころ 作家名:HYRO