小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

図書館

INDEX|6ページ/6ページ|

前のページ
 


戻って来てもキミは、まだ笑っている。柔らかなスカートがいっしょに揺れている。
まるで二匹の蝶が、ボクをからかっているようだ。
ボクは、咳払いをひとつ。控えめにコホンと。
「じぁ、出ようか……」
「はぁい」

モンシロチョウは、舞い上がったと思ったら、開いていた窓から出て行った。
「出られて良かったね」とキミは 小さく手を振った。
「そうだね。迷子だったね。あのコも」

ボクとキミは図書館から出て、ボクの部屋に向かって歩いた。
「きっと明日も晴れそうだね」
何となく、ボクは空を見上げて呟いた。

ボクの部屋まで15分。
その帰り道の間も ヒラヒラと寄っては離れ、ずっと頭の上を飛び回る蝶と
ボクの周りをひらひらと蝶のように歩くキミがいる。 
ただそれだけなのに……。


     ― 了 ―
作品名:図書館 作家名:甜茶