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ぽむぽむながし
ぽむぽむながし
novelistID. 46412
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「お兄ちゃん・・・ありがとう。みんなお父さんから聞いたよ・・・。」
一也が照れた仕草をした。加奈が笑った。
そして、また2週間が過ぎた。今日は加奈の退院の日だった。今、久しぶりに加奈、信二、一也の三人で家路に向かって歩いている。加奈が言った。
「お兄ちゃん、お父さん・・・どうもありがとう。」
信二が返す。
「いいんだよ。お前がそんなこと言わなくて。それより何が食べたい?」
「・・・カレー・・・昔お父さんが作ってくれたやつ・・・。」
信二が苦笑いをした。料理が苦手なうえに、カレーは何度も焦がしたからである。加奈がそんな信二を持て笑った。そして急に止まった。
「・・・何だよ急に?」
「どうしたんだ、加奈?」
加奈は、真面目な顔で一言言った。それは今までのことを通して加奈が思った本音だろう。
「私たち・・・・家族・・だよね?」
信二が驚いた顔をした。一也はうつむいた。
「俺は・・・。」
信二が言った。
「当たり前だろう。加奈も一也も大事な私の子供だ。」
加奈はその言葉を聞いて、歩き出した。加奈の顔は大人びた加奈には珍しい小学生らしい笑みを浮かべていた。一也はうつむいたままだった。しかし一言かすかな声で
「ありがとう」
とつぶやいた。一也がうつむいているのは、泣いている顔を見られたくないからである。しかし、たしかに一也は笑っていた。一也の気持ちは二人によく伝わった。加奈が
「私たちずっと家族でいようね。」
といったことは、加奈も信二も一也も一生忘れなかった。そして加奈がつなぎ直してくれた家族の絆を忘れることもなかった。

END
作品名: 作家名:ぽむぽむながし