喜多見と高垣
「相手に女の居ない時や、報酬が姫みたいな時は世界救わないまま放って、さっさと帰ってきた。そんなクソみたいな世界が滅びても俺は問題ないからな」
「げ……」
「良かったなあ、敵に恵まれて。そうでなかったらあんた今ごろ、触手の苗床にでもされてるんじゃねーか?」
「あはは、それは間違いないね。それじゃ、王女様。ちょっとの間だけど、よろしく」
「……リネット」
「おう、よろしくな。俺に惚れてもなんも得しないぜ」
「誰が!」
「元気があって、いいことさ。んじゃ、帰ろうか」
それから一カ月ほど、期間にして言えば夏休みの間――二人は行方知れずとなった。
そして、新学期――涼しい顔をして登校してきた喜多見と高垣は、楽しそうな顔をしながらこう言っていたのだった。
「女にも飽きたな」
「お尻は貸さないよ」
「え、お前がネコなの?」
おわる