言の寺
猫の手も借りたいほど君が好き
あの子の望むフェチになれない
だって僕には肉球がない
もしも神様が僕に
僕の平たい手の平に
猫の肉球くれたなら
僕はあの子のほっぺ目掛けて
そっと肉球押し当てる
きっとあの子はうっとりと
ハート眼(まなこ)で僕の手の
もっこりとした299見つめ
優しくぷにぷに触るだろう
もしも僕の手のひらに
猫のと同じ肉球あれば
あの子は僕を
好きになる?
「猫よ……教えてくれ」
塀の上から見下ろしてばかりいないで
僕にアドバイスくれ
どうすればあの子の気を引ける?
どうすればお前より愛される?
僕は猫より愛されたい
猫より僕に夢中になれ!
肉球のない手で空に祈る
肉球フェチの君よ
聞いておくれ
僕はね
猫よりもずっと本気で
「君のことを想っている」
いつか悲しいヒトの手で
君をギュッと抱きしめたい
猫にはできない
強さと激しさでもって