言の寺
「世界の中心――そこはまるでマグマだった」と指
「この指の動きで、君を真面目な顔にしてやりたい」
ごまかし笑顔や照れ笑いなど
浮かべる余裕のない状態に
君を追い込んでしまいたい
どちらかといえば苦しげな
見ようによっては哀しげな
ふわりと半開きの口
シリアスな眼差し
何かに気付いてしまったかのように
ハッと動きを止める君
僕の指は今
君の中
君の唇 喋ることもできずに
ただただ震え 吐息を漏らす
僕はとてつもない征服感に襲われ
君と同じ表情を浮かべると
指をゆっくりと動かす
「君の中心に触れてみたい」
君は頷くこともできない
しかし今更
合意など必要なかった
僕の指は僕の意思よりも激しく
君の中心を探り始める
それが
世界の中心であると
確信をして