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首なし殺人事件

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 「はぁはぁはぁ・・ここまでくれば大丈夫か。」
一キロも走っただろうか。さっきより小さい公園を見つけた。
そこのぼろぼろになったベンチに座り、自分が犯罪者になってしまった事を
心の中で両親に詫びた。
とにかく金を抜いたら目立つところに鞄を置いて
持ち主に中身を返そうと決めていた。
彼女の持っていた鞄は相当重くて男の自分が持つにもかなりの重さだった。
「まさか、大金が入っているんじゃないよな・・?」
ドラマなどの身代金を入れるボストンバッグほどの大きさだ。
もし大金なら中身には手をつけないと心に決め、
鞄のチャックをゆっくりと開けた。
「!? ぇ・・・・」
そこにあったのは大金でも旅行の荷物でもなかった。
小さな公園には電灯が一つしかなく、それはベンチの真上にある
その少し濁った光に浮かび上がったのは、まぎれもなく人の首だった。
「う・・・ぁ・・」
人が本当に恐怖したときは声が出ないというのは本当なんだと実感した。
俺はとにかく鞄を閉めた。
こんなところを人に見られたら俺が殺したんだと思われる。
そして、高校時代の事がふっとよみがえってきた。

『・・こんなこと小学生でもわかるだろ』
作品名:首なし殺人事件 作家名:sakura