Parasite Resort 第一章
映像のアザゼルが消えた。そして、旦の腕が、旦の意識とは無関係に、ゆっくりと宙を這うように玲子の体に伸びていく。
異変が起こった。
玲子は顔を上げ、カッと目を見開いた。その瞳の色は銀一色。アザゼルの伸ばした腕が一瞬すくんだ瞬間。玲子は、大きく口を開けて吠えた。
「見つけたぞアザゼル」
玲子の爪が銀色に伸びて、旦の体の頭をアイアンクローした。
「そ……その声……シュミハザ……か」
「今度こそ捕らえた!」
玲子の銀爪が、旦の頭皮を裂き、頭蓋の骨を穿孔し、脳の奥に侵入してきた。その爪の先の最先端は、脳の奥に伸びて伸びて、中枢に達し。毛細血管のように分岐して、旦のシナプスに絡みついた。
作品名:Parasite Resort 第一章 作家名:或虎