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Minimum Bout Act.03

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No.10「初恋」






 カッツがアインの軍事学校にいた頃の事。授業の一環として3人一組でのサバイバル訓練が実施されていた。
 ご多分に漏れずカッツもその訓練に参加していて、幼少の頃から体格も判断力も優れていたカッツはリーダーとして隊を任されていた。
 一クラス30名を束ねる役目を受け、カッツは人員を割り振った。もちろん各隊の実力にばらつきが出ないよう、個人の能力を考慮してだ。
 場所はアインから離れた山岳地帯で、訓練課題は2か月間生き延びること。
 カッツのクラスは学校内でも一番優秀なクラスで、この30名は将来が有望視されている子ども達ばかりだ。そのクラスのリーダーをしていたのだから、カッツの能力の高さは言うまでもない。
 訓練は順調だった。
 最初の一か月はクラスの他の隊の様子を伺いつつ、脱落者が出ないよう常に注意を払っていた。
 が、あと残り一週間となった日のことだった。
 カッツの隊の一人が足を踏み外し、かなりの高所からカッツを巻き込んで滑落してしまった……



 どれくらいの時間が経った頃か、カッツは全身に走る激痛で目を覚ました。
「うっ!」
 ほんの少し体を動かそうとすると痛みは全身を駆け抜け、自分が今どのような体制をとっているのか、体の感覚からは知ることが出来ない程だった。
 ぼんやりとする視界の中、なんとか目を開き辺りを見回すと、隣りで仲間が血まみれになってぐったりとしている。
「お、おい、大丈夫、か……しっかり、しろ」
 自分が仲間のすぐ隣りに倒れている事に気付き、無理矢理体を起こすと、辛うじて動かせる左腕だけで仲間に近づいた。
「おい、おいっ……」
 切れ切れの声で、カッツは呼びかける。が、返事はない。
 山岳地帯とは言うものの、この地域には木などほとんど生えていない。あるのは葉もまばらな細々とした低木だけで、まるで森のように岩がうねうねとせり出していて、無機質な迷路のようになっている。クッションになるようなものがない場所で、落ちた場所すら見えないような高さから二人して落下したのだ。無事でいる方がおかしい。
 どうやら落下途中で岩に頭をぶつけたらしい仲間は、頭部から大量の出血をし、死んでいた。
「く、そっ……」
 再び遠のく意識の中、カッツは人の気配を感じた。
 誰か来るーーー
作品名:Minimum Bout Act.03 作家名:迫タイラ