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アッシュ ラリッサ
アッシュ ラリッサ
novelistID. 46007
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流れ星のタンゴ Part.3

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 フランソワーズのジェスチャーを繰り返す。 それから、とてもゆっくりと互い
 の手が相手に入り込む。フランソワーズは左手を藤原の体に巻きつけ、藤原は
 素早く彼女を自分の方へ引き寄せ彼女の髪の香りをかぐ。 はじめはためらい
 がちに、だんだん安心して二人は悩ましくタンゴを踊る。



 バーの外、入口の近く。

フランソワーズ   あなた、心を動かされたみたいにみえるわ?

藤原        それは… ウィスキーを飲んだし… じゃ、思い切って
          言おう… 今、わかったんだ… 君と踊っていて、
          わかったんだよ… そうじゃない?

フランソワーズ   さぁ、言ってよ!がんばって!私と踊っていてあなた
          わかったんでしょ、あなたが…

藤原        うん… あぁ、日本人の男はこういうこと、 どう言ったら
          いいか、わからないんだ!さっき君が、あんな近くに居て…
          だから今… つまり…  君の言う肉体の錬金術が!

フランソワーズ   (がっかりして)それだけなの?私に言いたいことって?
           そう、じゃ、私たちって世間知らず見たいに見えたのね…
          (学校でやるように暗唱口調で) 私たちの完全に融合した
          体のオーラのエネルギーが化学反応を起こして私の魂と
          あなたの魂が溶け合い、 あの通り藤原さん、私たち
          すっかり燃え上がったわね全ての私たちの感覚で…
          つまり、錬金術…

藤原        えらいなぁ!君は神秘学に精通しているね…

 長い沈黙の後、フランソワーズは指先で軽く藤原の頬に触れる。

フランソワーズ   じゃぁ、今度は私が思い切ってい言う番よ… それは…
           Il n’y a que toi。あなただけ…(藤原にキスする)

 藤原は考え込み時々立ち止まりながら、彼を待っているひかりに気付かずに
 舞台の別の端へ行く。彼が女のもとからもう一人の女のもとへと歩く間、
 バーの内部が明るく見え、一人の女性歌手が 「Il n’y a que toi - あなただけ」
 を歌う。(最初はフランス語で、それから日本語で歌う)
 藤原はひかりに近づき、長い間見つめて彼女の肩に手を添え、
 それからフランソワーズの方へと戻ってくるが、二人の丁度間で立ちどまり
 顔をあげ空を見る。三人の上に雨のような流れ星が降る。



           ーーー   (了)   ーーー



下記の台本中の歌と音楽は、
"流れ星のタンゴ"のために特別に作詞作曲いたしました。

「I dare not tell you You are beautiful」(君は美しいと言うを口が阻む)(英語)
   作詞 : アッシュ ラリッサ 作曲 :アッシュ ラリッサ

「Le flamenco des azalees」(つつじのフラメンコ)(フランス語)
   作詞 : アッシュ ラリッサ 作曲 :アッシュ ラリッサ

「東京は霧の中」(日本語)
   作詞 : アッシュ ラリッサ 作曲 :アッシュ ラリッサ

「Il n’y a que toi」(あなただけ)(フランス語と日本語)
   作詞 : アッシュ ラリッサ 作曲 :アッシュ ラリッサ