火付け役は誰だ!
「…何だったんだ、あれ。」
消火器の粉末撒き散る室内を見て一気に疲れが来た、どうしようこれ。
「闇討ち狂。」
「…他になんかないか?」
「安眠妨害魔。」
「…もうそれでいいわ。」
凄く疲れた、戦い以外の何かで。
「まぁ考えようによってはいつか戦う相手だけど…あの妖精…次は絶対に勝つ!!!」
「なにで?棒倒し?鬼ごっこ?」
穂子がバトルと言って思い浮かぶ選択肢が小学生レベル(低学年)、妖精のバトルの定義が知りたくなる。
「次はかくれん…」
言うと思っていたので拳骨。
「次戦わなかったら仏教系の寺連れてって護摩行させるからな、あのでかい炎の前で。」
「…私死んじゃうよ、そんな所行ったら!」
「今なら火葬もセットでお徳だ、お寺だし。」
「護摩行ついでに火葬!?ゆりかごからお墓まで産地直送!?新しいよその制度どこの社会保障!?」
顔が完全に絶望していやがる、しかしこれぐらいの罰はそもそも戦いなんて知らない俺に戦わせた罰だろう。
「うう…酷だあんまりだ…」
「知るか!にしても消火器の粉末ちゃんと片付けないとな、まぁベッドは無事…」
「お休みーー彦ー!!!!!!」
「…え」
「あ、朝御飯はフレンチトースト希望…頼むのだ…」
落ちた、この妖精俺の事なにも考えずに落ちたぞ。
「…さて、」
ベッドの横の床に座布団を並べる、俺の寝床は穂子が使ってるからしかたな
「んなわけないだろ、よっこら。」
すぴーと寝息をかいている穂子の体を敷布のタオルケットでぐるぐる巻きにする。
そおい食らえローリング布団落とし!
「んに゛ゃっ!?」
踏まれた猫のような声が出たがすぐ寝息が聞こえてきたのでよしとする。
敷布は無いが今の季節は春、俺も穂子も風邪は引くまい。
それにしても今日1日で色々あった、よく寝られそうだ。
因みにそれが裏を返すと、明日の学校に絶対遅刻すると気付いている者はこの時点では、誰も居なかったのだが。
四番、幕引き