火付け役は誰だ!
で、何で洗濯物もぞもぞ動いてるんだよ。
「………ゎ……………ん………」
「今何か聞こえなかったか!?くぐもった…」
「………し………………な…………………」
「うわああああああやっぱりなんか聞こえる!助けて!助けて神様!もう単位くれとか言わないから!…それはないか。でもうわああああああ!!!!!!」
単位を神様は寄越してくれるつもりはないらしい、一際大きく洗濯物が蠢き、俺の声も最早モスキート音級に裏返る。
サヨナラ俺の単位…違うそっちじゃない。
そんな、ホラー映画ならバッチリクライマックスなシーンとカオス極まる状況に異様な雰囲気の中、バックミュージックがかかりながら洗濯物から顔を出したのは。
一人の女の子だった。
「こ、こんにちは。」
「あ、こんちは。」
…………………………。
「お、驚かないね、君。」
「驚きの臨海点が今大気圏突破して銀河系の彼方にサヨナラノツバサしただけだから大丈夫。」
それが彼女と最初にした会話だった。
一番、幕引き。