まだらの菓子
満面の笑みを浮かべる綾原をつねってやりたかったがそれもそれだ、さておき事件は解決したのだから。
お菓子の一箱位は空けてやる。
そう思った。
しかしそこにあったのは
お菓子でも
包装紙でもない。
「どうした、顔全体がひきつってるけど?」
いつから姉は部屋に『お菓子を盗みに入ってきた』と思ったか。
クッキーが盗まれたからだ。
ならそれだけの為に、姉はこんな面倒なことをするか、即答は出来ないがまず考えにくい。
姉は出発前まで何をしていたのか。
何を理由に俺は姉を部屋から追い出していたか。
こういう事だ。
いつの間にか綾原がへたりこんでいた俺の隣に来て肩を叩いてこう言った。
「上手に片付けられたみたいだね?」
浮かぶのは哀れみ。
そうだ、上手いこと言うじゃないか。
片付けられたのはお菓子だけじゃない。
「あの…バカ姉がッ!!!!!」
箱に詰まっていたのは姉の片付けていた参考書だった。
まだらの菓子:fin.