Miracle Happens
困惑した表情のチーフが咲希に聞いた。
そして咲希は大きく深呼吸した。
「どうか、私をもらってください。チーフのこと大好きだから」
咲希はチーフから目をそらさない。
その咲希の真剣な眼差しを見て、チーフが安堵して笑った。
「僕もすきだよ」
そして、ぽんぽんと咲希の頭を軽く叩くと腕時計を見て「ミーティングの準備手伝って」
と手際よくコピーされた資料を集め、印刷室を後にした。
「はいっ」
咲希は大きな声で返事をすると、チーフの後を早足で追いかけた。
「とりあえず、味噌汁のみたいな」
チーフがボソリとつぶやいた。
咲希は笑いながら頷いた。
end
作品名:Miracle Happens 作家名:ケム