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新人(ニート)
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novelistID. 45888
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無題。

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F「みなさん、助けてください!どこに行ったって逃げ場なんてないんです。理由もなく私は私という存在を脅かされるのです。…この、舞台上でも」
B「ねぇ!(遮るように)」
F「はい!な、なんですか…」
B「Fさん。どうして、ここに?」
F「どう…して?」
B「うん」
F「アハハハハハハハハ」
D「いきなりどうしたんだよ!」
F「そんなこと、知ってるでしょう?」
D「ハ?んなわけ…」
F「台本、読まなかったんですか?」
D「……!(絶句)」
F「そんなわけないですよね!アハハハハハハハ」

皆、縋るようにBを見る。

B「Fさん、こういうおかしなことを言う癖があるらしくて…。舞台がどうのとか……」
F「ほら!またそうやって私の存在を無かったように振舞う! …そんなことしたって私はここにいるんですよ!演じようが何しようが私はここにいるんですよ!この事実だけは、私を裏切らない…」
D「どうしてここに来たんだ?」
F「だから…」
A「舞台上の君はどう答えるんだ?」
F「(あきらめたように)死にたいの」
B「Fさん…」
F「(無機質に)いや、消えたい?そこは些細な違いかしら?とにかく、居なくなってしまいたいの」
A「君は、いわゆる…いじめられているのか?」

皆、Aの方を見る。(タブーがゆえに)

F「……はい」
A「私たちは、君の力になりたい」

Aは手を差し伸べる。しかしFは手を振り払う。

F「心の込もってない台詞はくなよ!お前がそんなこと言える人間かよ!言える資格がお前にあるのかよ! ……ああ、やはり皆さん(観客)にしか頼めない。……どうしてですか?どうして誰も何も言ってくれないのですか?その席から立ち上がってくれないのですか? …そっか、これが舞台上の出来事だと思ってるんですか。じゃあ、仕方ないですね。 …皆さん、ごきげんよう」

F、去る。

D「A…」
A「大丈夫だ。ちょっとビックリしただけだ」
C「それにしても、キョーレツなやつだったな」
B「Fさん、いじめられてからずっとあんな感じなんだ」
C「いかれちまったんだな」
A「そんな言い方ないだろ」
C「ご、ごめん悪い」
A「B、Fさんはどんな感じでいじめられているんだ?」
B「無視されてる、ってのが大きいかな。距離を置かれてる、っていうかね」
C「そりゃ、仕方ないだろ」
E「あの紙も、やっぱりあの人が書いたんですかね…?」
A「みんな、提案があるんだ」
E「なんですか?」
A「私たちであの子のともだちになってやるのはどうだろうか?」
E「いいですね!」
B「そうすれば、大丈夫ね!」
A「二人はどうだ?」
D「俺は反対だ」
A「なんでだ?」
D「友達って、そうやって『作ろう。』って言って作るものだろうか?俺はそれは不自然だと思う」
C「私も、同じような意見だ。友達って無理してなるものじゃない」
A「…確かに不自然なものかもしれないが、私はあの子のために友達になってあげたい」
D「どうしてそこまでこだわるんだよ」
A「…みんな、聞いてくれ。私は昔いじめられていた」
C「え?」
A「昔から、私は少しだけ勉強ができて、友達がいなくてな。それで、嫉妬を買ってしまったんだな。無視なんかは、それこそFさんみたいに日常茶飯事だった」
D「A…」
A「その時一番辛かったのは、人との繋がりがなかったことだった。だから…。だから私は彼女の友達になってあげたい」
C「会長…、分かったよ。Fさんのために友達になろう」
A「ありがとう、C」
B「じゃあ、Fさん探してくるよ」
E「私も!」

B、E去る。

D「俺はやっぱり反対だ」
C「なんでだよ!」
D「…言えない」
C「言えよ!私が納得できない!」
A「いいよC。CはFさんを探しに行って」
C「……分かった」

C去る。

D「今もだろ?」
A「何がだ?」
D「今もなんだろ?」
A「だから何がだ?」
D「昔なんかじゃなくて、今もお前は…」
A「いじめられている?」
D「そうだ。しらばっくれるなよ」
A「…あの紙」
D「あ?」
A「私が書いたと思ったんだろ?」
D「…そうだよ」
A「あれは書いちゃいないよ」
D「分かってるよ」
A「んで、私が今もいじめられているからなんだ?」
D「ホントに」
A「ん?」
D「ホントに友達が欲しいのは、お前なんじゃないのか?」
A「…違うさ」
D「本当にそうか?!俺にはいじめられっこ二人が傷をなめ合っているようにしか見えないね!…そんなもの、偽りだよ!偽善だ!」
A「……偽りだっていいんだ」
D「え?」
A「偽りの関係でいい。模造品の芸術で、テレビの中の芸能人で、造花の薔薇でいいんだ」
D「なんで」
A「最初は、偽りでも。ずっと一緒にいれば、それが本当になる。偽善でも、それが確かな関係でさえあればいいんだ」
D「A…」
A「……あっはっはっはっは!ちょっと、クサ過ぎたかな。あっはっはっは!」
D「ははははははは!(つられて)」
A「でも、本当の気持ちだ」
D「分かってるよ」

B、C、E、Fが戻ってくる。

F「なんですか?話って」
A「Fさん。唐突だけど、友達になりましょう」
F「え?」
A「ビックリするかもしれないけど、ここにいるみんな、Fさんの友達になりたいんだ」
B「よろしく」
C「よろしくね」
D「よろしくな」
E「よろしく」
F「嘘よ」
A「本当よ。でも、仮に嘘の関係でも…。その内、本当になる」

F、走って去る。

D「おい!」
A「いいよ」
D「だって…!」
A「言葉は、届いたから」

EDっぽい曲を流しながら場転。舞台を教室(相談室的な)にする。
中割は全部閉めてある。

G「Fさん。友達、できたんでしょ?」
F「はい!」
G「確か、生徒会の方たちよね?」
F「はい!」
G「学校、楽しい?」
F「はい、とっても!」
G「それは、よかったわね」
F「でも、それは舞台上の私だけです」
G「え?」
F「それ以外の私は何も救われちゃいない。舞台に立ってない私はまたいじめられるしかないんですよ。そう、部活の私はまた…。この舞台を見たって、演じたって誰も学びはしない。茶番だ!全部茶番だよ!」
G「Fさん、部活入ってたっけ?」
F「入ってますよ。入ってなきゃこの舞台出れるわけないじゃないですか?」
G「……(絶句)」
F「冗談です(ニッコリ)。明日からも、学校来るの楽しみです」
G「そう、それならよかった」

G、去る。まだ舞台上は照明がついてるが、大道具等はハケる。

F「すいませーん!私がハケてしばらくしたら、中割開けてもらっていいですか?」

F、ハケてしばらくすると中割が開く。
すると、フショクフ(漢字分からない)等で作ったFの首吊りをイメージさせる影が映る。
それをしばらく放置。何かしら事故があったのかと思わせるぐらい間を取る。(いらんかも)
そして、舞台監督らしき人が。

H「あれを降ろせー!」(この台詞の前後に叫び声が欲しい)

今まで出てきた役者出てこなかった裏方全員でてんやわんやする。
「救急車」や「携帯」とか単語を使って会話。

しばらくして
作品名:無題。 作家名:新人(ニート)