恋の結末
どうしてこうなった?
「かわいいよ、たっくん」
「ええやん。似合ってるで、たく」
学校の女子生徒用制服に着替えた人が一人。
まあ、それは僕なんだけれども。
「さっすが。準備しといた甲斐があったわ」
まさに僕のために作られたのではと疑うほどにぴったりだ。
それを見て諸悪の根元である安芸は手を叩いて笑っている。
「で、これは何なんだよ」
「罰ゲームやろ。あと、それはプレゼントや」
「なんのだよ」
反射的につっこんでしまった。
どこの世界に女子生徒用制服を貰って喜ぶ男子高校生がいるんだよ。
「えーと、んーと、そや、誕生日プレゼントや」
「うそをつくなー」
僕の誕生日はもっと先だ。
「くししっ、でもせっかく作ったんや、受け取って欲しいなあ」
「えっ、安芸一人で作ったのか?」
「そや、すごいやろ」
でも以外と着てみるといいもんだな。
スカート……とか。
新しい世界に目覚めちゃいそうだ。
「かわいいよ。似合ってるよ。たっくん」
と、突然葵が思い出したように言った。
「もういい。わかったから、お前は黙っとけ」
でこに軽くチョップを食らわしてやる。
「あうっ」