恋の結末
「まだ星が見えるようになるまで時間もあるし、何かして遊ぶか」
まだあと一、二時間ぐらいはあるだろう。
「トランプやろー」
笑顔で最近覚えたばかりのトランプを安芸で最近覚えたばかりのトランプを安芸は振り回す。
「ってお前、ババ抜きしかできないだろ」
「こいつで違う遊びも出来るんか? こ、こう、こんな感じか?」
左手でトランプを持って右手で手裏剣を投げる要領で次々に飛ばしていく。
「おい、こら。そんな遊びはない。というか危ないだろ」
しかし、安芸はそんな事に聞く耳など持たず、
「えいっ」
「あいたっ」
投げ続け、一枚きれいに僕のでこにぶつかってきた。
安芸はそんな僕を見て「くししっ」と笑っている。
「はあ。葵、ババ抜きでもいいか?」
「えっ。あ、うん。いいよ」
「よっしゃー、決まりやな。もちろん負けた人は罰ゲームやからな」
安芸は意気揚々と散らかったトランプを集めて組み始めた。