恋の結末
ようやく片づけも一段落ついた。
時計を見るとそろそろ葵の来る頃かな。
チャイムの音がする。
「誰やろな〜」
ピョンと飛び起きると、玄関の方に安芸は駆けて行った。
まあ、葵の出迎えぐらいなら任せても大丈夫か。
なんだか、いとこって事で通っているらしし。
「で、これはどういうことなんや」
目の前にはDVDそして仁王立ちの安芸。
そして、その前に正座する僕。
短すぎるスカートのせいでチラチラとピンク色のものが見える。
「ちょ、たくどこ見てんねん」
そう言って顔を赤らめて裾を押さえられても困る。
まさかこんなことになると思わなかった。
まさかさっきのチャイムが郵便だったなんて。
しかも、よりによって夜の通販で買ったPCパーツだったなんて。
……不幸だ。
せめて右手にすべてを打ち消す力があればまた話はちがうだろうに。
「で、これはどういうことなんや」
「はは、どういうことだろうね」
「で、これはどういうことなんや」
「いや、あの、DVDかな」
「DVDってことは分かってんねん。内容言ってみ」
「安芸みたいな子供にはまだ早いよ」
「そうか、たくは弩級の変態やな」
「いや、まだ僕の変態さはドレッドノートよりは小さいと思うんだ」
「変態ってとこは否定せえへんねんな」
「も、もちろんするよ」
「じゃあこれをどう説明すんか」
そう言ってDVDをポイッと投げる。
「ああっ、投げないで。せっかくの僕の新しいコレクションが」
「コレクション……、これ以外にもあるってことか」
「あっ、しまった。じゃなくてあるわけないじゃないか」
「やっぱりあるんか。超弩級の変態やな」
「弩級を超えた。僕は超弩級の船なら陸奥が一番好きだね。あんなに苦労の末に造られたなんて」
「そのまま社会的に爆沈してしまえばいいんや」