青いリンゴ
私が彼からそれを渡された時といえば、もう表現しようのないくらいの衝撃を受けたものです。心を縛りあいたいのかと、そして二人で傷つきあいたいのかと、野口のような、正確に言うなら橋本のような言葉を咄嗟に思い浮かべたのですけど、それ以上に私の初恋なるものを彼に捧げていいのかどうかという考えが頭を占めていたことを思い出すと、「意外と私は軽い女だったのだろうか!」と今更のように感じています。実際にはそのような勘違いはすぐに解消されることとなり、下手な恥をかかずに済んだことが本当に嬉しい。