小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
つだみつぐ
つだみつぐ
novelistID. 35940
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

LCACがやってくる

INDEX|1ページ/25ページ|

次のページ
 
LCACがやってくる



         西海町LCAC基地建設に反対する会事務局
          津田貢

 1998年3月、私は坂口印刷で坂口さんと町村合併の話をしていた。当面の活動を決めたあと、コーヒーを飲みながら坂口さんは、「ところで津田さん、エルキャックって知ってる?」ときいた。「知らない、何それ。」「LKACとか何とからしいんだけど、佐世保から横瀬貯油所に来るんだってよ。うちの町長と久間長官が合意したらしいよ。」「ふーん、佐世保の人にきいてみようか。」
 それが始まりだった。

 私は佐世保の宮野由美子さんと軍事問題研究会の篠崎さんとに電話を入れた。篠崎さんは写真付きで資料を送ってくれた。LCAC(LKACではなく)は戦車1台と兵員15人を積んで世界の70%の海岸から上陸できるホバークラフトの強襲揚陸艇であることを私は初めて知った。
 私の住む長崎県西彼杵郡西海町横瀬郷は佐世保の真南に当たる。私の家からは海をはさんで佐世保市の一部が見える。東1.5Kmにはフェンスに囲まれた米軍の貯油所もある。それなのに、私はそれ以前から佐世保で騒音が問題になっていたLCACを知らなかった。それほど基地問題について無知だった。

 私と妻は1981年からこの西海町に住み、1986年から今の横瀬で無農薬やさいを作り、会組織(西海無農薬やさいの会)で佐世保の消費者にやさいを届けて生計を営んでいる。坂口さんは次々といろいろな村おこしイベントを企画し、私はそれを手伝っていた。当時はこの地域の町村合併に住民のがわからどう対処するかを二人で話し合い、勉強会を開いたりしていた。
 そのころ「佐世保市崎辺のLCACの移転先候補地5ヶ所の調査を開始する」との報道があった。資料を見た坂口さんは「こんなものを受け入れたら住民による町の活性化なんて絶対にできないよ。あとの4ヶ所はダミーだよ。実際は横瀬に決まっているんだから。すぐ何とかしないと。」と言った。
 とにかく、町に「受け入れしないように」との要望書を出すことになった。私は原案を作り、地元(横瀬西郷)の役員の家をまわってみた。驚いたことに、現郷長、前郷長、その前の郷長、元町会議員の全員が署名捺印してくれた。私は少し前まで8年間も郷役員をしていたのだ。(後になって、現郷長と元町会議員はこの署名を取り消すことになる。)
 その後私は「第5回とっておきの話を聞く会」を横瀬西公民館で開くことにした。「とっておきの話を聞く会」は不定期に開いていた10人程度の会で、各自が500円ずつ出し合って講師を呼んでコーヒーを飲みながら話を聞き、そのあと勝手なことを言い合う集まりである。今回は佐世保地区労の今川さんを呼び、題を「大変だ!LCACがやってくる!/でも、LCACってなあに?」とし(少し前の私たちの気持ちそのままだ)、西海町全戸に新聞折り込みした。50人ほど集まったがそれよりマスコミがわんさとおしかけた。