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紺青の縁 (こんじょうのえにし)

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 だが、霧沢は本当にそうなのだろうかと疑ったし、またこんなことにまで至ってしまった根本の原因がわからない。
 学生運動で荒れていたキャンパスに、宙蔵と光樹と亜久斗、そして桜子とルリがいた。この五人は美術サークルに所属し、青き青春を共に過ごした。そして、それを取り巻くように、洋子と沙那がいた。この霧沢を含めて七人の仲間たち、霧沢が三十歳の時に、宙蔵と洋子は黄泉の国へと旅立ってしまった。そして今回は桜子、さらに光樹と沙那の三人が続けて帰らぬ人となってしまった。

 二十歳前に、互いに縁あって知り合った友人たち。みんな若くて、キラキラと輝いていた。
 その五人がもうこの世にはいない。今はルリと二人切りになってしまった。
 これが霧沢亜久斗にとってのデスティニーだったのだろうか。それとも霧沢に絡む儚き縁とも呼ぶべきものだったのだろうか。霧沢にはわからない。
「なぜなんだろう?」

 しかし、霧沢はどうすることもできなかった。
 ただ時が流れるままに任せるしかなかったのだ。