紺青の縁 (こんじょうのえにし)
しかし霧沢は、今となってしまえばどうすることもできない。だが、この推理こそが真実なのだと手応えを感じた。そして、友人の光樹は何も知らずに、桜子と龍二にうまく利用されただけだったと思うと実に口惜しかった。
しかしもう一方で、滝川光樹は愛莉の義父でもあり、犯罪の首謀者ではなかったことに胸を撫で下ろした。
〈花木宙蔵の密室・消化器二酸化炭素・中毒死〉と〈洋子のクラブ内首吊り自殺〉
霧沢は、このようにして二つの事件についての納得ができ、その推理が胸にすとんと落ちたのだった。
作品名:紺青の縁 (こんじょうのえにし) 作家名:鮎風 遊