ブラムス=当袈の倒し方
最初だけに必要最小限に
「早稲田もやられた…」
まずは絶望。
「ということは次は俺の番…」
そしてイマージュ…よしっ!
「俺ちょっと今日、塾あるから帰」
「駄目」
「俺に死ねと申すか」
「死なないようにやれよぉ」
「早稲田をいたぶりながら密室殺人事件を解決しながら架空の読者を想定してそいつらに叙述トリックを仕掛けながら被害者を蘇生させたと思ったらその密室殺人事件をミステリーと読んでいい状態か微妙な状態から本格ミステリーへと昇華させるとかいうアホみたいなことを現実にやってのけるあいつを倒せる人間なんて存在するの?」
「‘いや、しない’ゆえに‘居やしない’だろうね」
「え?」
「伝われよ、長久手ズアートを理解出来ないとはかわいそうな奴めが」
長久手のアートだから長久手ズアート。出来が悪くてもアートはアートか。アートがアートたるのは主観者がアートだと判断するからだと思うのだが、俺は長久手ズアートにアーティスティックな感動を覚えられないから俺の主観では長久手ズアートはアートでないんだろう(逆に言うと長久手から見れば長久手ズアートはアートなんだろうなぁ)。
「よしっ、んーーーー!」
と長久手は伸びをして、ついでに欠伸をして、そのついでに俺にこういう。
(名言を言う前の一呼吸だ)
―死ぬ気でやって出来ないことはない
…
……
「俺、世界の長寿記録を更新するつもりなんだけどー!」
作品名:ブラムス=当袈の倒し方 作家名:ブラムス=当袈